シリーズ初の長編。ということで作品の雰囲気ががらりと変わっていて、作者も述べていましたが迷走しているのは感じましたが、これはこれで良かったのかなと。
学園から飛び出して鏡のない館で問いかけられる謎が今までとは違った雰囲気で、それぞれの登場人物に解放感があって、ヒロイン達それぞれが微かにラブコメの空気が流れていたのは良かったです。特に会長は珍しく成田が攻めにいったところはグッときました。仕返しがありましたが笑
ミステリーとしてもいつもの軽い謎ではなく、仙波が解くのに苦労していて、難解だったな。
ただ、解いたその先の依頼主の芳花の心情が魅力でした。
自分を知りたいというのは当然だよな。
鏡って大事なものなんだと改めて思い知りました。自分の顔や姿を鏡で認識することで自分を知ることが出来る。自己認識が行う手段が手記だけだと不安になるな。
鏡のない館に暮らしていたらと思うと怖くなりますね。
仙波の心境が多くて、彼女も変化していくのかなと思いますが変わらなそうな気もしますね…
佐々原や会長も恋の気配がありますが、どうだろう。
次から学園に戻るということで、楽しみで仕方ないです。
“なるたま”こと成田真一郎と佐々原は、会長命令で一緒に泊まり込みアルバイトにやってきた。そこは“万鏡館”という名前とは裏腹に一切鏡がなく、中も外も全て白と黒で統一された不思議な世界。なぜかそこから仙波も現れ―!?館の主人である美少女が「鏡を見る」ことを禁じたワケは?そして彼女の不可解な言動に隠された一族の秘密とは!!抜け出せない館で次第に疑心暗鬼に陥る子ひつじたちを救うため、仙波が館の謎に挑む。