羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

負けるための甲子園

負けるための甲子園 (実業之日本社文庫)

 

タイトルとあらすじから感じ取れる怪しげな空気に惹かれて読みました。

甲子園で負けることを目標にする不純さや後ろめたい気持ちが出てきますが、しっかり理由が描かれていて負けるために甲子園に行くことに納得しました。

勝つために行くのが普通だと思うが普通ではなくても切実な願いがあるから応援したくなりました。

野球賭博やガイコツなどダークな部分がチラつきながらも真っ直ぐ誰かのために野球に打ち込む青春は胸に響きました。

とはいえ、目指すのが条件付きの敗北だから一体どうなるのか分からず不安な面もありましたが、その不安をひっくり返す結末には驚きましたし、爽快感ある締めくくりになっていてホッとしました。

 

爽やかさとダークさが混ざり合っていながらも綺麗にまとめあげるのは見事でした。

 

 

きっと見つかる、大切なもの。
実業之日本社文庫GROW誕生! 第1弾

愛と涙の青春の果てに――
誰も知らない衝撃の奇跡。

第1回令和小説大賞選考委員特別賞受賞!!

目的は甲子園で負けること!?
その裏に潜む驚愕の真実とは……

甲子園の決勝戦。野球部のエースでピッチャーの筧啓人(かけいひろと)は失投からホームランを打たれ負けてしまう。だが、その見返りに彼は1000万円を手に入れていた!
不可解な失投を問いただしたキャッチャーの矢久原純平(やくはらじゅんぺい)は、啓人に怪しげな店へ連れて行かれる。啓人の目的は、とある「人間」を買いに来ることだった……!?

第1回令和小説大賞で選考委員特別賞受賞の超感動作!