羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

春夏秋冬代行者 春の舞 上

春夏秋冬代行者 春の舞 上 (電撃文庫)

 

ヴァイオレットの作者が電撃文庫で新作を出すと知った時からワクワクしていました。

今作は季節に囚われて幸せになれない、自由になれない現人神と補佐の歯痒い葛藤が描かれていました。

上下巻構成ということで各季節を司る現人神とその補佐の過去と現状が見えて、未来へ変わろうとする姿勢、心境が痛いほど伝わってきました。下巻でどうまとめあげるのか気になります。

 

世界観も美しいようで汚いところがある、そんな世界でもがいていくのは大変そうですが、幸せな結末になって欲しいと願うばかりです。

現人神や補佐を物扱いしているくせに都合の良いように祭り上げるのは嫌な感じ。

各季節の現人神、補佐で一筋縄にいかない距離がありますが、どうやって繋がりあっていくのが気になりますね。

 

過去に後悔する出来事があり、それに囚われていたが挽回する機会が巡ってきて、どう展開していくのか。下巻では大きな盛り上がりを期待したいです。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の暁 佳奈が贈る、四季の物語。

「春は――無事、此処に、います」
世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた――。
いま一人の少女神が胸に使命感を抱き、立ち上がろうとしている。四季の神より賜った季節は『春』。母より授かりし名は「雛菊」。十年前消えたこの国の春だ。雛菊は苦難を乗り越え現人神として復帰した。我が身を拐かし長きに亘り屈辱を与えた者達と戦うべく従者の少女と共に歩き出す。彼女の心の奥底には、神話の如く、冬への恋慕が存在していた。
暁 佳奈が贈る、季節を世に顕現する役割を持つ現人神達の物語。此処に開幕。