羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)

 

今となっては同居系ラブコメが多く見られるようになっているが、この作品が売れたからだと個人的に思います。詳しい数値などは知りませんが、肌感覚でそうかなと。

 

近々最終巻が出るのとアニメが始まっていて読み返したくなりました。序盤は緩い、ありがちな展開で始まるが次第に沙優の中に募る焦燥感を文章に落とし込むのが上手い。

吉田からすれば興味ないことかもしれないが、今まで身体を売って住まわせて貰っていた沙優からすると吉田から与えられる代償のない優しさに戸惑って暴走するのは自然なことかと。

最後に腹を割って話し合えて、不安を取り除けたのは良いことだ。

吉田視点からしても沙優の存在は広がっていて、吉田の渇いた日常が潤うようになってきているから、互いに良い効果を生んでいるのが素晴らしい。

 

沙優以外にも後藤さん、三島などが吉田に気があって、関係図が見えてきて、吉田が罪な男だというのが分かる。

三島のリアリストな恋愛観や仕事への取り組みは個性的で応援したくなります。

後藤さんはよく分からない。

同僚の橋本や遠藤はちょい役だが良い男達だ。

 

いってらっしゃい、おかえりなさいで紡ぐ日常を是非読んでもらいたいです。

 

5年片想いした相手にバッサリ振られたサラリーマンの吉田。ヤケ酒の帰り道、路上に蹲る女子高生を見つけて――「ヤらせてあげるから泊めて」「そういうことを冗談でも言うんじゃねえ」「じゃあ、タダで泊めて」なし崩し的に始まった、少女・沙優との同居生活。『おはよう』『味噌汁美味しい?』『遅ぉいぃぃぃぃぃ』『元気出た?』『一緒に寝よ』『……早く帰って来て』家出JKと26歳サラリーマン。微妙な距離の二人が紡ぐ、日常ラブコメディ。