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辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖 (宝島社文庫)

 

下巻。

離れ離れなりそうだった辰巳センセイと円城がどうなるかと思いましたが強引な展開でまとめあげたのは驚きましたが、良い綱引きだったんじゃないかなと。

辰巳センセイの秘められた辛い過去が明らかになり、遠慮して引いてしまうかと思いきや、円城が恋に生きる乙女でなりふり構わないところがありながらも、辰巳センセイに心境に配慮してアプローチを仕掛けていて、硬く閉ざされていた辰巳センセイの心を開いて見せたのは見事でした。

痛みを知り、心を通わせる、一緒にいようとする円城の頑張りが実を結ぶ結末に心揺さぶられました。

 

辰巳センセイという題名が素晴らしいものだと思いました。

 

生徒、先生の悩める心を晴らしていく素晴らしい物語でした。

 

見事な幕引きで幸福な気持ちになりました。

 

 

言葉を尽くして生徒たちと向き合う辰巳センセイの姿に、円城咲耶は惹かれていた。彼女がアメリカへ短期留学することになったのと入れ替わりに、美貌の補助教員、シャーロットが現れた。シャーロットは辰巳との距離を縮めてきて……。
高校生活が巡り、人間関係が変化していくなかで、辰巳の「こころ」を縛る鎖が見えてくる。 日本の名作文学とリンクする、人間ドラマの行き着く先は……。