1日1話読むだけで金を貰うなんて、なんとも胡散臭い。
一体何の目的かと疑いながら読み進めましたが、1話1話が単純に面白かったです。
しかし、話の結末は様々で何を表しているのかは最後まで見抜けませんでした。
まさに題名通りな内容で、ただ"貴方"に綴る短編集で最後にしっかり伏線回収するのは見事でした。
綺麗な終わりに向かうための手札は色々なところに配置されていました。
読み終えた後に訪れる余韻は心に沁みました。18のお話もぐいぐい読ませるもので、満足度が高いです。
短編集でありながら、意味することがあり、物語に連続性を感じられて素敵な一冊でした。
主人公の女性、謎の老紳士、小説、一体何の目的があるのか、是非読んで確かめてほしいです。
1日1話、ただ読むだけ――世にも奇妙な仕事には、思いもかけない意図が隠されていた!
『珈琲店タレーランの事件簿』の著者が、新たなるミステリーの形に挑んだ野心作
むごくて、いびつ。せつなくて、まっすぐ。
たったひとつの愛なんてない…「あなたにぜひともお引き受けいただきたい仕事があるのです」
駅のホームで見知らぬ老紳士から声を掛けられた美織は、「ミスター・コント」という謎の人物が記した短編を18本読み、簡単な感想を書くという仕事をもちかけられる。報酬は1字10円、総額143万円。新手の詐欺かと訝しみつつも押し切られる形で前金を受け取った美織は、1日1話届けられる物語に次第に追い詰められていく……。
世にも奇妙な仕事に隠された、驚くべき真相とは?