表紙やタイトルから儚い雰囲気の作品かと思いきや、反対に主人公・碧木とヒロイン・雨森の拗れ具合や愉快な周りの人物達のやりとりが軽くて驚いたが、だからこそ弱っている碧木と雨森の救いに繋がっていくのは良い作風でした。
軽妙でふざけたようだけど、登場人物それぞれが自分の信じる道に進んでいて、読み進めるにつれて癖になっていきました。
傷ついて、前に踏み出せなかった碧木と雨森か近づいて、離れて、悩みながらも一緒に歩き出せるようになったのは爽快感がありました。
自分の中で抜け出せない壁だと思っていたことでも、実際にぶつかってみたらなんてことはなかったというのはありふれているが、思春期の高校生の脆さと青さが堪らなく眩しかったです。
傷ついたら休める場所があるのは良いことだし、気持ちを共有出来る相手がいるのはなんとも頼もしいことか。
良い感じにまとまっていました。
”普通”になれない二人が見つけた、青春の雨宿り先 家にも教室にも居場所のない元不良の碧木が出会った、1学年先輩の雨森。世の中に馴染めない二人は、閉鎖された屋上前でひとときを過ごし、心を通じ合わせていく。第33回ファンタジア大賞入選作の青春グラフィティ