父親が4人いるというぶっ飛んだ設定だが不思議と惹きつけられていきました。
どんな状況だよと思っていたが読み進めていくにつれて納得してしまう不思議。
個性豊かな父親達との生活は大変だが、息子である主人公・由紀夫が受け入れている理由が何となく分かりました。それはどの父も由紀夫を想って、接しているからだ。
だから由紀夫も本気で嫌がっていないし、読んでいて違和感がない。
街で起きていた謎の出来事も繋がっていく終盤は見事でした。
ピンチもチャンスに変える、度胸溢れる父親達の奮闘は読み応えありました。
様々な人物達がすれ違って、混ざり合って混沌としているが、スッキリする終わりだったのは驚きました。
父親が四人いる!?高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父×4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件―。知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。