剣崎シリーズ第3巻。
今回はテーマパークで斑目機関によって生み出された首切り殺人鬼に追われながら、近くに潜む殺人犯にも気を配らなければならないという厳しい状況に。
何が何でもクローズドサークルを作ろうとする熱意が感じられました。
様々な方法で葉村、剣崎の動きを縛っていく。
常に一緒に行動していた2人が気持ちと同様に物理的に距離が空いてしまうことで、見えてくるものがありました。
葉村と剣崎の間にまだ隔たりはあると思うが、どう向き合っていくのか気になります。
正直、作中の人物が名探偵について語るのは控えてほしいが、この作品はホームズとワトソンを追求していくんでしょう。
首切り殺人鬼が生まれるにいたる過程と首切り殺人鬼に追われるという過去と今が描かれていて、惹かれる展開でした。
しかし、なんとも切ない事実と背景があり、真実を知ったら悲しくなりました。
1巻の時から思っていたが斑目機関は頭のイカれた連中としか思えない。
最後に登場した彼には驚くと同時に笑ってしまいました。
彼が登場して、どう物語が動くのか気になります。
『魔眼の匣の殺人』から数ヶ月後――。神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子が突然の依頼で連れて行かれた先は、“生ける廃墟"として人気を博す地方テーマパークだった。園内にそびえる異様な建物「兇人邸」に、比留子たちが追う班目機関の研究成果が隠されているという。深夜、依頼主たちとともに兇人邸に潜入した二人を、“異形の存在"による無慈悲な殺戮が待ち受けていた。待望のシリーズ第3弾、ついに刊行!