タイトルを知った時から読みたいと思っていた作品で、期待を飛び越える着地が見れて非常に満足なミステリー作品でした。
シンデレラが名探偵で容疑者。もうこの字面だけで惹かれる物語でした。
主人公・シンデレラは口先が上手くて、屁理屈が上手い。そんなシンデレラが殺人の容疑をかけられて、無罪を示すために理屈をこねくり回して、突破していくのが痛快でした。
序盤からシンデレラのキャラが立っていて、自由奔放な彼女が濡れ衣を着せられそうになって、いったいどうなってしまうんだという気になって、ハラハラドキドキしつつ楽しめます。
シンデレラの姉達が個性豊かで魅力的でした。そんな姉達を茶化しながらもシンデレラが大切に想っているというのはグッときました。
ミステリーとしても複雑に絡み合っていて、推理していくシンデレラと同様にのめり込むことが出来ました。
魔法というファンタジー要素がありながらもしっかり謎に落とし込めていて、素直に受け入れられました。
最初からなぜ、王子が死んだのか想像すら出来なくて、作者の手のひらの上で踊らされましたが、綺麗に騙されたので爽快です笑
晴れやかな終わりだったのも良かったです。
タイトルやあらすじ、表紙で気になった人は読んで損はないと思います。
シンデレラが魅力的な主人公でミステリーとしても満足できる面白さですので、おすすめです。
童話×ミステリ!容疑者は、シンデレラ!?
幼い頃に父親を亡くし、継母や義理の姉たちとともに暮らすシンデレラ。
ある日、シンデレラは怪しい魔法使いに「ガラスの靴」を渡され、言葉巧みに王城で開かれる舞踏会へと誘われる。
お城に到着するやいなや、美しいシンデレラはさっそく王子様の目にとまる。「ガラスの靴では踊りにくかろう」と王子様から靴を借り、シンデレラは王子様とダンスを踊る。
ダンスが終わり、ガラスの靴を返してもらうため王子様の私室へと赴くシンデレラ。
しかし、いくら待てども王子様が姿を見せない。心配になったシンデレラが部屋の奥へと顔を出すと、先ほどまで生きていたはずの王子様が死体となって横たわっていた。
そして、入れ違いで部屋にやってきた兵士によって、シンデレラは王子様殺しの現行犯として捕まってしまい――。
前代未聞の王子様殺し。その容疑者は、シンデレラ!?
自身の無実を証明するため、シンデレラが真犯人に“推理”で挑む。魔法と謎が共鳴する、超本格ファンタジーミステリ!