羽休みに娯楽を

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千歳くんはラムネ瓶のなか6

千歳くんはラムネ瓶のなか 6 (ガガガ文庫)

 

高校生の男女、いや、子供に限らず恋で拗れてしまう関係はいくつもあるのだろう。

前回夕湖が告白した結果、千歳チームに激震が走る。

遂にその時が来たかと。

ただ、恋愛に早いも遅いも関係なくて踏み出さないといけない時は来る。

千歳、夕湖だけでなく、周りのヒロインや友人も影響を受けていて、余波のようにそれぞれが自らの気持ち、感情と向き合わなくなる。

1人1人の心情を描いて気持ちが繋がっていくのは美しい。未熟な恋や心を泥臭く追求していて好きでした。

 

落ち込む千歳。

そんな側にいるのは優等生の優空。

1巻からずっと1年生の時からの変化が匂わされていたが、ようやく彼女の中に眠っていた過去が明らかになる。

それは確かに優等生の彼女らしい苦悩で、凝り固まった考えを壊した千歳に寄り添うのは仕方ないなと。

 

千歳、夕湖以外の面々が2人を支えようと接していくところに今までの積み重ねが感じられて好きでした。

特に健太と海人。2人の発破の掛け方が胸に響きました。

 

壊れてしまった関係は直せないのか。

 

優空と夕湖、千歳の3人が始まりの頃を思い出して、再び今のこんがらがった感情と向き合っていく様子は見事な構成で、素晴らしい落とし方でした。

視野が狭くなってしまう時に救いの言葉が貰えるのは幸せだ。

 

なぜ、夕湖が告白したのか。

なぜ、千歳は断ったのか。

なぜ、優空は本音を隠すのか。

 

今回の件の根幹に触れるクライマックスの部分は感情のぶつけ合い、晒し合いで、青春の良さがぎゅっと詰まっていました。

 

600pと厚めの一冊ですが、気にならなくなるくらい夢中になりました。

 

とりあえず落ち着きましたが、今回出番が少なかった彼女達だって黙ってないだろうし、今後はさらなる恋愛バトルになるのではないか。

 

夏に読むにふさわしい作品でした。

 

 

私を見つけてくれて、ありがとう

すべては変わってしまった。
唐突に、劇的に。どうしようもないほど残酷に。

けれど、ひとりで塞ぎ込む時間を、彼女は与えてくれなかった。
「あの日のあなたがそうしてくれたように。今度は私が誰よりも朔くんの隣にいるの」

――1年前。まだ優空が内田さんで、俺が千歳くんで。
お互いの“心”に触れ合ったあの日。俺たちの関係がはじまったあの夜を思い出す。

優空は言う。

「大丈夫、だいじょうぶ」
月の見えない夜に無くした何かを、また手繰りよせられるというように。

……俺たちの夏は。まだ、終わらない。