羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

叫びと祈り 文庫

叫びと祈り (創元推理文庫)

 

作者の別作品が文庫化されるので読み返しました。

外国の様々な場所が舞台になっていながら語り手が多言語を話せる日本人ということで、話に入りやすいのは大きいです。

また、場所や風景、感情等の描写が上手いので、文章読んでいて頭に入ってきやすいです。

 

ミステリー的にも各話、惹きつけられる魅力がありましたが、中でも最初の砂漠を走る船の道が好きで仕方ない。

なぜ、事件が起きたのかが分からなかったので真相を知った時は何度もそうだったのか!と噛み締めたくなるようなシチュエーションでした。

また、ラクダの存在も愛おしい。他の各話も良かったが自分の中では砂漠を走る船の道が頭に残っている。

 

砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作を巻頭に据え、美しいラストまで突き進む驚異の連作推理。各種年末ミステリ・ランキングの上位を席捲、本屋大賞にノミネートされるなど破格の評価を受けた大型新人のデビュー作。