羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

誰も死なないミステリーを君に 2

誰も死なないミステリーを君に 2 (ハヤカワ文庫JA)

 

誰も死なないよう、死の予兆、いわゆる死線が見える人を調べて守っていく佐藤と志緒。

志緒の友人・飛鳥が莫大な遺産相続が舞い込むからなのか、否か。

獅加観家に潜む裏側を知っていくうちに、思いもよらぬ事態に。

飛鳥だけでなく、その周りの人達に現れる死線が消えたり、見えたりと一体どういうことなんだと揺さぶられます。

 

死線に振り回される佐藤と志緒。

遺産相続、過去の神隠し、鬼、といういかにも事件が起きるシチュエーションで明かされていく数々の事実が意味するものとは。

 

佐藤と志緒が死線を上手く扱って犯人を炙り出して、過去から今に至るまでの事件の全体を紐解いていくのは見事でした。

中盤はもう無茶苦茶になるくらい難易度が上がっていましたが、それでも誰も死なせないよう動く佐藤の活躍は目を見張るものがありました。

 

そして、志緒の父やゴリラ先輩などユニークな人のサポートも光っていて、特にゴリラ先輩魅力過ぎるよ…

 

バッドエンドを回避して良い未来を掴んだ佐藤と志緒の頑張りで、爽やかな読後感になりましたね。

 

人が死ぬ予兆がみえてしまう志緒のため、僕は、その死を防いできた。高校生の時から大学生になった今も―志緒の友人、獅加観飛鳥に“死線”が現われた。幼少期に故郷で“鬼”に追われて神隠しにあった経験を持つという飛鳥には、いま莫大な財産の相続話が。そして獅加観家の一族―言動不可解な芸術家、軽薄な私立探偵、狐面をかぶる医者にも死線が…僕は死を止めるため、策略を発動する。優しい嘘をつきながら…