辻村先生の作品で何読もうかなと思ってたら、クリエイター達の同居生活ということで気になって手に取りました。
クリエイター達がそれぞれの目標やそこに至れてない現実が描かれている。そこのもどかしい気持ちは重たくのしかかってきます。
また、各々の心情や葛藤を掘り下げていきつつ、徐々に変化していく生活に惹かれていきました。
それぞれの視点から見てみると、皆歪な欠片を持っているようで、関係がどうなっていくのか目が離せません。
作品全体で何か大きなことを隠している気はするが、それが何なのかが分からない。
終盤に訪れた波乱の気配は下巻でどう回収するのか楽しみです。
青春というか夢と現実の狭間にいるクリエイター達の生活はこういうものなのかなと。
人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ―あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。