名探偵のあり方を探求し続けたシリーズの最終巻。
前巻から登場した祇園寺が再び登場してきて、蜜柑と相方の日戸が振り回される。
蜜柑の名探偵として試される連続謎解きにカタルシスを感じつつも違和感があり、全てが収拾していく結末は見事としか。
途中から予想は出来ていたが細部までは詰められていなかったので、最後の種明かしで納得しました。
怪しさしかないもんね。
連続謎解き。時間制限ということだったが、1事件1事件に読み応えがあったし、その上で本筋を進めていたのは素晴らしい展開でした。
蜜柑を恨んでいた日戸がすっかり助手として側にいて、出来ることをこなしているのにグッとくるものがありました。
祇園寺は蜜柑とは違う考えで折り合いがつかないのは確か。
蜜柑と祇園寺、2人の戦いはこれからも続くのだろう。
最後にに明かされた連絡に幸せな気持ちになりました。
前巻でまったく触れられてなくて、望み薄だと思っていたので、嬉しすぎます。
名探偵を問う、今シリーズの集大成。
非常に満足度が高い締めくくりでした。
時間のある限りどんな依頼も引き受けるようになり、多忙を極めていた名探偵・蜜柑花子。ある日やって来たのは、「密室館」の事件で深く関わった少女・祇園寺恋だった――。未解決事件の真相を蜜柑が解かなければ、誘拐された母親の命はない、と脅迫を受けているという。大阪→熊本→埼玉→高知の順に、四つの事件を再調査する時間はたった六日間。しかも移動は車のみ。怒濤の推理行の果てに、導き出した答えとは? “名探偵の矜持” “名探偵の救済”をテーマに贈る、鮎川哲也賞受賞シリーズ完結編。