羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

家族シアター 文庫

家族シアター (講談社文庫)

 

家族小説。読み終えたら、向き合える家族と一緒にいるのは良いなと思いました。

今作は家族間の距離が近いからこそぶつかり合ってしまう模様を描いている。

一緒に住んでいるからこそ、分からなくなってしまう。

そんな状況から脱していくのが気になって仕方なかったです。

 

ただ暖かいアットホームの話ではなく、喧嘩したり、後悔したりする様子を心理描写を描いているので、各話惹きこまれていくこと。

どの話も魅力的で甲乙つけがたいです。

 

関係が壊れる前に相手の良いところに気づくというのは大切ですね。

 

始まりは不穏でも、終わってみては救われるのはとても良いです。

 

息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。

真面目な姉を鬱陶しく思う妹。
趣味で反発し合う姉と弟。
うまく息子と話せない父。
娘の考えていることが理解できない母……

あなたの家族もこの中に。家族を描く、心温まる全7編。