羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

赤い博物館 文庫

赤い博物館 (文春文庫)

 

大山誠一郎先生の作品で暫定で1番好きかも知れない。

いわゆる外しコースとも言える赤い博物館の館長・緋色と左遷された聡が共に未解決事件に迫っていく短編集。

凄い!全話面白かった。

長編より短編の方がまとまりやミステリとしての切れ味が鋭い感じがする。

話の膨らませ方に驚くが、しっかり謎へ至る筋道まで描写されているので納得度が高いミステリー大集合でした。

 

最初はこっちかなと予想させて、真相は大きく外れたところにある。

気持ち良いくらいに騙されます。

また、犯人のトリック、動機も唸るものばかりで夢中にになって読めます。

最後に真相知った上で緋色の台詞、行動は犯人を突き止めるのにピッタリの手を打っているのが分かると、緋色の名探偵っぷりに慄きます。

聡は最初は嫌々だったが、緋色と事件を解決していくごとに信頼していき、変わっていく様子も追うのが楽しかったです。

 

探偵・緋色、助手・聡の組み合わせも大好きで、とても楽しめました。来月続巻があるそうで、楽しみで仕方がないです。

 

 

超ハイレベルで奇想天外、予測不能なトリック駆使の本格ミステリ!

警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」の館長・緋色冴子はコミュニケーション能力は皆無だが、ずば抜けた推理力を持つ美女。そんな冴子の手足となって捜査を行うのは、部下の寺田聡。過去の事件の遺留品や資料を元に、難事件に挑む二人が立ち向かった先は――。
予測不能なトリック駆使、著者渾身の最高傑作! TVドラマ原作

「読者に対して手がかりを堂々と提示しながらも真相を当てさせない」という
難題を見事にクリアしている。 ――飯城勇三「解説」より