S&Mシリーズ外では初の森博嗣先生の作品。
刊行順で読み進めていこうと思っていたので、今作を読みました。
短編集って、ある程度まとまりを意識してしまうものですが、今作はまったく意識してないんじゃないかと思ってしまうくらい、不思議な雰囲気の短編集でした。
幻想的だったり現実的だったりと変幻自在のショーを見ているようでした。どの話も結末が予想出来ないので、最後の最後まで気が抜けませんでした。
読み進めて、こうなるんじゃないかと様々な作品を読んできた経験が通じないのが逆に新鮮でした。
犀川先生、萌絵が登場する話は安心感がありました。
作者も描き慣れているのかなと。
ノンシリーズモノでは、どれも印象深いお話ですが、キシマ先生はキャラクター性も魅力でした。
大学のミステリィ研究会が「ミステリィツアー」を企画した。参加者は、屋上で踊る三十人のインディアンを目撃する。現場に行ってみると、そこには誰もいなかった。屋上への出入り口に立てられた見張りは、何も見なかったと証言するが…。(「誰もいなくなった」)ほか美しく洗練され、時に冷徹な11の短編集。