何で今まで読んでなかったんだと悔いたくなるくらい面白かったです。
知念先生の作品をあまり読んでなく、スルーしてた自分を呪いたくなるくらい、素晴らしいミステリー作品でした。
本格ミステリーを好きな方には刺激があり、あまり詳しくない人は今作を読んで本格ミステリーに触れていきたくなるようなバランスでした。
名探偵の碧がかなり本格語りをしていて、鬱陶しさがあるのに目が話せない魅力がありました。
語り手が犯人という叙述トリックを上手く利用したトリックには唸りました。
読んでいてそうだったら良いなと願望を抱いていましたが、それに近い状況になったのは嬉しかった。
中盤くらいまで読めば犯人の目星が立つが、細かいトリックや隠されていたことはお手上げでした。
終盤の読者の挑戦状から先については圧巻でした。何層にも練られていた伏線が策略していて、参りました。分かった気になってすみませんでしたという気持ちになりました。
2段3段構えの構成で、種明かしが始まっても油断出来ない厚みがある物語になっているのは凄いです。
練りに練られたミステリーはこんなにも心揺さぶってくるのだなと思い知りました。
最後に誕生した人物を軸に続巻を読みたいなと思いました。
ミステリを愛するすべての人へ
当作の完成度は、一斉を風靡した
わが「新本格」時代のクライマックスであり、
フィナーレを感じさせる。今後このフィールドから、
これを超える作が現れることはないだろう。
島田荘司ああびっくりした、としか云いようがない。
これは僕の、多分に特権的な驚きでもあって、
そのぶん戸惑いも禁じえないのだが――。
ともあれ皆様、怪しい「館」にはご用心!
綾辻行人500ページ、一気読み!
知念実希人の新たな代表作誕生作家デビュー10年 実業之日本社創業125年 記念作品
雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。
地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、
刑事、霊能力者、小説家、料理人など、
一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。
この館で次々と惨劇が起こる。
館の主人が毒殺され、
ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。
さらに、血文字で記された十三年前の事件……。
謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。
散りばめられた伏線、読者への挑戦状、
圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。
著者初の本格ミステリ長編、大本命!