羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

高校事変 V

高校事変 V (角川文庫)

 

高校事変シリーズの始まりに関することが印象的でした。

結衣の父が死刑となった地下鉄サリン事件、その当時の結衣の心境。事件の被害者・沙津希、高校事変の時に友人となった澪。

世間が思っているほど残酷ではないが、冷酷でもある結衣だが、結衣の中では線引きがしっかり出来ていて、澪との関係も友人と言えるならば大丈夫だと思いたい。

高校事変で出会った結衣と澪の再会はグッとくるものがありました。最初の結衣が動くきっかけとなった友人だから、再び会って話して、気持ちを確認出来て良かったです。

沙津希は複雑な気持ちだったが、目で見て実感して結衣と接していて良かった。

 

序盤の小さな子を救うために犯人を叩きのめすのは過剰かなとも思うが、描写がスタイリッシュで躍動感があって爽快感がある。殺人なのに。大分結衣に毒されてるなと。

妹分の凜香や家族だった相手でも害をなすなら容赦しないスタンスが崩れないのは流石です。

 

田代親子の手が結衣に迫りつつあり、緊迫感を増している中、結衣はどう動くのが目が離せません。

今回はなりふり構わず結衣に罪をなすりつけようとしてましたが、いつまでかわし切れるのか心配。

 

 

武蔵小杉高校事変で優莉結衣に救われた濱林澪はショックから不登校になっていた。編入の下見のため訪れた農業高校で教師たちの振る舞いに異常を感じた澪は結衣に助けを求める。事変以来の再会だった。優莉匡太亡き後の秩序再編をもくろむ半グレ組織、そして匡太の子たちを追い込むためには非常手段をも辞さない公安警察。国家規模の陰謀が新たな戦いを引き起こす。その渦中で、結衣はあまりにも意外な人物と遭遇する…。