羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

スイーツレシピで謎解きを 推理が言えない少女と保健室の眠り姫

スイーツレシピで謎解きを 推理が言えない少女と保健室の眠り姫 (集英社文庫)

 

スイーツを題材にしたミステリー。

謎も気になるが、なぜ不思議な出来事が起きるのか登場人物の秘められた行動を解き明かしていき、たどり着く真相が迷える高校生の救いになっているのが良いです。

主人公・菓奈が吃音があり、あまり人と関わらずにいたが、事件と出会っていくうちに変わろうとしていく姿にはグッときました。

菓奈の勇気が広がっていくのには心が温まりました。

 

青春、ミステリー、スイーツ、揺れる心情、全てが絡み合って、1話1話のエピソードが読み応えある話になっていました。明るいだけじゃなく、青春の裏側も描かれているからこそ、最後に前向きになっていく登場人物に心底勇気が貰えました。

 

生きていれば色々あるが、高校生のうちから悲観するのは早いかなと。

誰か自分の悩みに気づいてくれる人を見つけられると良いですよね。

 

高校生の菓奈は人前で喋るのが苦手。だって、言葉がうまく言えない「吃音」があるから。そんな菓奈が密かに好意を寄せる真雪は、お菓子作りが得意な究極のスイーツ男子。ある日、真雪が保健室登校を続ける「保健室の眠り姫」こと悠姫子のために作ったチョコが紛失して…。鋭い推理をつまりながらも懸命に伝える菓奈。次第に彼女は、大切なものを手に入れていく。スイートな連作ミステリー。