羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

強欲な羊 文庫

強欲な羊 (創元推理文庫)

 

ミステリーズ新人賞受賞作品集の監獄舎の殺人で表題作を読んでいて、他の話も気になって読みました。

 

やはり、表題作が鮮烈で印象深くて何度読んでも良い意味でイヤな気持ちになります。

認識を誤らせる展開とその伏線の回収方法が非常にいやらしさがあって、堪らないです。

完成度が高いですね。

1番初めにこのエピソード入れて、後が大丈夫かなとも思いましたが、次から次へと手を変え品を変えと変幻自在の作風で騙しに来るので、飽きるどころが惹きこまれていく。

良い感じに嫌な気持ちさせるのが素晴らしい。

 

短編集で、最初の表題作のインパクトも相まって警戒してしまいますが、逆手に取って読者を翻弄していました。

 

 

美しい姉妹が暮らすとある屋敷にやってきた「わたくし」が見たのは、対照的な性格の二人の間に起きた陰湿で邪悪な事件の数々。年々エスカレートし、ついには妹が姉を殺害してしまうが──。その物語を滔々と語る「わたくし」の驚きの真意とは? 圧倒的な筆力で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞した「強欲な羊」に始まる“羊”たちの饗宴。企みと悪意に満ちた、五編収録の連作集。解説=七尾与史