上巻とはいえ、かなりスローな出だしなのかな。
男女4人の旅の間の会話を中心に展開していく。
昔からの付き合いで気さくに話し合う空気感に落ち着くなと思ったら、鋭く胸を突いてくることも。
小さな、不思議な謎をこうなんじゃないかと話していく、合ってるか合ってないかは置いといて、推理していく様子が見事。
それぞれが持つ悩みや謎が明かされていき、待ち受けるものは何なのか。今巻は2人が掘り下げられて、下巻ではあと2人が掘り下げられてどうなる。
不穏な雰囲気が漂いつつ、下巻へ。
どんな結末を迎えるのか想像出来ない。
それぞれの人物が考えが描写されている分、視点が変わると別人みたいに見えたような。
人の表と裏を見せていて、中々苦しい。
梶原憂理というこの場にいない存在がどう影響を与えてくるのか気になるところではあります。
太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。