羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

六法推理

六法推理 (角川書店単行本)

 

デビューして勢いの止まらない五十嵐律人先生の新作。

短編集なので、今までの作品に比べると軽い雰囲気もあるので読みやすい作品でした。

先生の作品を知らない人にもおすすめです。

 

今作は大学内で無料法律相談所を運営している主人公・古城の元に他学部の戸賀が依頼してくる事から始まる。

戸賀が依頼を通して、古城とペアを組みことになり依頼を解決していく。

法律と倫理、真実にたどり着くのはどっち。

古城と戸賀、互いに長所と短所が見えたが補い合う関係で事件の真実にまで届くというのは良い構成でした。

キャラクターも立っていて、愉快な掛け合いも出来るし推理の話し合いも魅力的。

良いコンビでした。

 

事件そのものもとっかかりやすい始まりだが、調査が進むうちに人の闇が見えてくる構造で読後感はビター。

人は一面だけでは測れないものだ。

読み始めと読み終える頃で印象がガラリと変わるのは切れ味あります。

 

それでも最後は晴れやかに締めたのは良かったです。

 

古城自身の悩みも向き合っていて、だからこそ最後良い方向にいけたのかなと。

 

現役弁護士作家が放つ、青春×多重解決ミステリ!

その悩み、一人で抱え込まずお気軽に無法律へ。

学園祭で賑わう霞山大学の片隅。法学部四年・古城行成が運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)に、経済学部三年の戸賀夏倫が訪れる。彼女が住むアパートでは、過去に女子大生が妊娠中に自殺。最近は、深夜に赤ん坊の泣き声が聞こえ、真っ赤な手形が窓につくなど、奇妙な現象が起きているという。戸賀は「悪意の正体」を探ってほしいと古城に依頼するが……。リベンジポルノ、放火事件、毒親問題、カンニング騒動など、法曹一家に育った「法律マシーン」古城と、「自称助手」戸賀の凸凹コンビが5つの難事件に挑む!