もう、このシリーズ大好き。
障害を抱えている人達の叫びや苦しみには心が苦しくなるが、その状況は現実でもあるのだと思うと勉強しないといけないなと思う。
今回は短編構成だがどの話も粒揃い。各話、テーマに沿った展開で、最後まで読むとひしひしと切なる願いが伝わってくる。
表題作なんて、聴こえないが故に起きた悲劇で幕引きが心に残るものでした。
全話良かったです。
各エピソード間に荒井家の家族の悩みも挟まっていて、どうなるのか心配したが杞憂でした。良い家族だ。
障害を抱えて、成長していく困難さが見えますが希望となる出来事も起きていて、救われる思いです。
あと、何森刑事が好きなので、出てきてくれて嬉しかったです。
まだまだ、このシリーズを読みたいと思いました。
ろう者の妊婦から医療通訳の依頼を、埼玉県の派遣センター経由で受けた手話通訳士・荒井尚人。専門知識の必要な医療通訳、しかも産婦人科であることに苦戦しつつも丁寧に応対していたのだが、ある日彼女からSOSの連絡が届く……。ろう者の緊急通報の問題を活写した表題作ほか、行き倒れたろう者の素性を探る旅路を描く「静かな男」など、荒井が関わる四つの事件。『デフ・ヴォイス』『龍の耳を君に』に続くシリーズ第三弾、待望の文庫化。