松岡圭祐先生の新作は少女が肉体を駆使して、悪を滅ぼす様は見事。
それは良いことか、悪いことか。
客観的にはやりすぎかもしれないが、作中の序盤での不良達の悪行を見ている為、心が痛まない。
家族想いで周りに好かれていた紗奈に襲いかかる悲劇に非常に胸が痛む。敵が同い年あたりというのがまた嫌だ。
序盤で気持ちを思いっきり落とされるが、そこから紗奈を殺した悪党達が殺されていく爽快劇になっていく。
この辺りの読者の感情をコントロールするのは流石です。
悪党達を殺せるのは悪党だけなのか。悪党達を殺していく謎の人物について、張られた伏線があるので明かされた時は驚いた。
先行きが読めず、最後まで気が抜けない物語でした。
締めに示された現実のデータには胸が痛みました。
悪党をどうにかするには警察だけでは手が回らないというのは悲しいことです。
「高校事変」を超える、青春バイオレンス文学の誕生!
逗子の山中で発見された一家3人の焼死体。川崎にある懸野高校の1年生・有坂紗奈が両親と共に惨殺された。犯人は紗奈と同じ学校の同級生や上級生からなる不良グループであることが公然の事実とされたが、警察は決定的な証拠をあげることができず、彼らの悪行が止まることはなかった。しかし、1人の少女、高校1年生の江崎瑛里華が現れて事態は急展開をとげる。人気シリーズ「高校事変」を超える、青春バイオレンス文学!