羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

教室が、ひとりになるまで

教室が、ひとりになるまで

 

皆が仲良く。それは出来るに越したことないが、強引に作られた仲良し空間には嫌気しか生まれない。

それは無理矢理自分を押し殺さないと周りから外れるのを意味するから。

そうならず、自然に仲良くなれると良かったんだが。

スクールカーストの苦しさは結局のところ、下に分類される人が意識してるだけなのか。上下はなく、ただ上しかないのは辛過ぎる。

しかし、上に分類される人の苦しみもあって。

いったい、どうすれば良かったのか。

 

カースト上位者が次々と自殺していき、それには不思議な能力が絡んでいて、ややこしくなっている分、推理していくのが楽しかった。ただ、もっと能力を使っても良いのではないかなとは思った。

 

最後まで読んで、自由とか生きやすさは誰かに手伝ってもらわないと得られないのは悲しくも救いになると思いました。

事件の始まりは悲しくて、やるせない事情が潜んでいて、まさに帯の通りでした。

 

 

 

私立北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります」という、同じ文言の遺書を認めて。垣内友弘にとって三人の死は疑いようもなく自殺―のはずだった。白瀬美月の言葉を聞くまでは。「三人とも自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」最高のクラスで、何故『自殺』は起きたのか。『犯人』の目的は何なのか。伏線の狙撃手が贈る、慟哭の本格青春ミステリ。