羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

竜殺しのブリュンヒルド

竜殺しのブリュンヒルド (電撃文庫)

 

タイトル、表紙、あらすじから気になって仕方なかったので、買ってすぐ読みました。

久しぶりにファンタジー作品でどハマりしました。

 

人は竜を殺して資源を得る。そんな世界観と登場人物の宿命が綺麗にマッチしていて、より悲劇を際立たせていた。久しぶりにドップリ浸かりたいと思ったファンタジー作品です。

竜と人、親と子、複雑な関係を持ち、育った主人公・ブリュンヒルドの愛と復讐に揺れ動く様は惹きつけられました。

ブリュンヒルドは竜の父の優しい教えよりも実の父への復讐心に呑まれていく様子は歪だけど、目が離せません。

 

それだけ、ブリュンヒルドは竜を慕っていて、人に絶望していた。だが、人を利用している過程で人を好きになる部分も出てきてしまう。

ブリュンヒルドが下した決断は王道ではないかもしれないが、それでも、致し方ないところかなと。

手段を選ばずに目的を達成しようとする姿は否定出来ない。

 

ゆえに結末には寂しくも独特なものがありました。

 

単巻で完結しているようだが、続くなら読みたい。

今後が楽しみな作家さんの誕生です。

 

愛が、二人を引き裂いた。

竜殺しの英雄、シギベルト率いるノーヴェルラント帝国軍。伝説の島「エデン」の攻略に挑む彼らは、島を護る竜の返り討ちに遭い、幾度も殲滅された。
エデンの海岸に取り残され、偶然か必然か――生きのびたシギベルトの娘ブリュンヒルド。竜は幼い彼女を救い、娘のように育てた。一人と一匹は、愛し、愛された。
しかし十三年後、シギベルトの放つ大砲は遂に竜の命を奪い、英雄の娘ブリュンヒルドをも帝国に「奪還」した。
神の国で再会したければ、他人を憎んではならないよ。』
復讐に燃えるブリュンヒルドの胸に去来するのは、正しさと赦しを望んだ竜の教え。従うべくは、愛した人の言葉か、滾り続ける愛そのものか――。
第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、ここに開幕!