羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 V 信頼できない語り手

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 V 信頼できない語り手 (角川文庫)

 

今回は別シリーズの登場人物が参戦してくるが、知らなくても問題ないです。

 

推理小説としてかなりフェアな事件だったなと。ただ、真犯人に関してはたどり着ける余地があったかは分からない。李奈の行動には驚いた。

ある程度は予想出来るシチュエーションだが、点と点を繋いで真実に至る解決章が爽快でした。意味深な謎がドミノ倒しのように解けていくのは気持ちが良い。

探偵として成長する李奈の苦悩も惹かれます。

作家以上に探偵としての資質が育っているように見えますが、本人も気にしているよう。

ただ、その経験が作品作りに役立つだろう。

数巻前から思っているが、作家としてのパートを描いて欲しいなと笑

このままでは警察より優れた探偵になってしまう… もうなっているのか?

 

 

日本小説家協会の懇親会会場で起きた大規模火災。小説家をはじめ多くの出版関係者が亡くなった。生存者はわずか2名。現場には放火の痕跡が残されていたため、大御所作家を狙った犯行説が持ち上がる。ネット上では“疑惑の業界人一覧”なるサイトが話題になり、その中には李奈の名前も。放火犯はいるのか? ベストセラー作家・櫻木沙友理と「万能鑑定士Q」莉子の登場で、前代未聞の事件の真相が明らかに……!