最高にロックでミステリー。
不可解な殺人がライブ中に起きることで、なぜ殺されたという謎とロックとは何か。という問いかけが繰り返される。
共に、興味を惹いて仕方なかった。
音楽に詳しくなくとも、作中の説明が優しくて、かつ頭に入りやすい精神的な部分もあったのは良かったなと。
ライブハウスの実態やロックを奏でる者達の心を知ることが出来て、勉強になりました。
本作のライブ中の死や他の事件の、殺人が起きた背景にも胸が痛む。
読み終えてみたら、悲しくてやるせない。
ただ、探偵役、助手役、周りの人達も掘り下げられているからこそ、この結末に納得するしかないというものでした。
ロックは人を殺すが、逆も然り。
作中のバンドメンバーの生き方は羨ましくもなりました。
今後が楽しみな作家です。
逆光を浴びステージに登場したボーカルは、突如悲痛な叫び声をあげるとその場に頽れた。彼の胸には千枚通しが突き刺さっていた。衆人環視の中での不可解な変死により、ロックバンド〈赤い青〉は活動休止に追い込まれる。事件直前、カリスマ的なギタリストが冒した、彼に似つかわしくない凡ミスは事件と何か関係があるのか? ライブハウスのスタッフである梨佳は、あの日なにが起こったのかを考え始める。本格派新人、感動の第一長編。