羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

最後の鑑定人

最後の鑑定人【電子版特典付き】 (角川書店単行本)

 

非常に魅力的な短編集でした。

科捜研という、事件を解くうえで必要な部門。

科捜研で優秀であった土門が様々な事件を科学の力を駆使して、真相にたどり着くのが魅力的でした。

科学の力は確かに犯人を追い詰めるには必要な力になるが、使い方を誤れば、後悔することになる。

良い面と悪い面を描いていました。

 

作品を通して、真相にたどり着くのが魅力的でした。そうやって調査するのかという驚きと事件の裏にある人間の心が浮上がっていく様子は読み応えがありました。

犯人の境遇を掘り下げることで、事件を解決すれば終わりではないのが、作品の良さですね。

捕まった後も続いていく人生を考えさせられます。

 

「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」

「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」
「最後の鑑定人」と呼ばれ、科捜研のエースとして「彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できない」と言わしめた男・土門誠。ある事件をきっかけに科捜研を辞めた土門は、民間の鑑定所を開設する。無駄を嫌い、余計な話は一切しないという奇人ながら、その群を抜いた能力により持ち込まれる不可解な事件を科学の力で解決していく。孤高の鑑定人・土門誠の事件簿。
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