羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

小説の小説

小説の小説【電子特典付き】 (角川書店単行本)

似鳥鶏先生のあとがきを優に超える、おふざけ度。最高にふざけてるのに読み応えある不思議。どの短編もあの手この手で、翻弄してくるのが面白かった。

読む前から帯やあらすじでかましてくるのは想像出来たが、大幅に超えてきた!

 

ルビ、注釈、文章、カバー、帯、あらゆるところを駆使して遊んでいるのが愉快だし、そこまで突き抜けられるのかと驚きました。

 

ルビが話し始めたり、言葉の持つイメージを逆手にとった異世界に行ったり、注釈で1作作ったり、表現の自由を狭まれた世界で小説を書いていくとどうなるか、カバーと帯を使って2通りのエピソードを組んだり、自由に書いていて、理解するのが大変でしたが、圧倒的な遊び感が堪りませんでした。

 

一体、どういうことだ?と思った人は是非読んで確かめて欲しいです。

 

注意:この作品を読むとき、「常識」は捨ててください。

本格ミステリ界にその名を轟かせる似鳥鶏の新境地は、“メタ・フィクション”!

私たちの知る「小説」は、様々な「決まりごと」の上に成り立っている。
無意識下の常識を逆手に取った、ルール無用の超次元小説!

▼各話紹介▼
「立体的な藪」……いつものように殺人に出くわしてしまった名探偵。華麗な活躍で事件が解決したはずだったそのとき、思わぬ“伏兵”が推理を始め――!?

「文化が違う」……異世界転生し、チート能力で無双する。誰もが夢見るシチュエーションで、最大の敵は、言葉の“イメージ”だった!!

「無小説」……「小説」とは何か、「書く」とは何か。創作の限界に挑む、禁断の×××小説!

「曰本最後の小説」……新法が成立し、検閲が合法化された「曰本」。表現の自由が脅かされる中、小説家の渦良は、あらゆる手を尽くして作品を書き続ける。

※紙書籍版カバー裏には、特別書き下ろし短篇「噛みつき小説」を収録。
電子書籍版巻末には、特別書き下ろし短篇「夫の日記帳」を収録。