羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

夏を取り戻す

夏を取り戻す (創元推理文庫)

 

1年振りに再読。

夏の季節にピッタリの作品だ。2度目なので俯瞰して読めました。伏線の貼り方が上手いなと改めて確認出来ました。

また、見逃していた部分を発見できて、何度読んでも考えさせられる小説だなと。

小学生達が失踪した理由、そして、調査する側にも理由があり、一見すると見逃してしまうようなことでしたが、しっかり掬い上げるのは非常に良いです。

 

失ってしまった夏を取り戻した最後には感慨深いものがありました。

小さな頃の夏休み、青春の夏は貴重なものだと思う。

 

 

団地に住む小学生が失踪しては数日で戻ってくる事件が立て続けに発生している。ついては解明に力を借りたい――そんな匿名の情報提供を受けたゴシップ誌の若手編集者・猿渡は、フリー記者の佐々木とともに城野原団地で取材を開始した。状況から子供たちの意図的な計画であることは明らかだったが、猿渡らがその真意をつかめぬうちに、別の子供が授業中の視聴覚室から姿を消してしまう。子供たちはなぜ順番に失踪しているのか? 俊英による傑作長編、待望の文庫化。