ノンフィクション。これはフィクションではなく現実にあったこと。読んでいて、フィクションだったら…と辛い気持ちになります。
2020年、コロナが流行し始めた年。夏の甲子園は中止を告げられた。球児、監督の心中はいかに。
目指していた舞台を取り上げられて、前代未聞の状況で平常でいられるわけがない。
今作は実際に取材しているからこそ、宿るものがありました。3年生のモチベーション、監督はどう選手を導くのか、問題は色々あり、読んでいて胸が引き裂かれそうになる。
しかし、それでも前を向く球児達に希望があったのは本当に良かった。
外野は可哀想と思ってしまうが、現場の球児、監督は悩み苦しみながらも答えを探していたんだなと。だから、気軽に同情するのは違うのだと学びました。
「Yahoo! ニュース|本屋大賞 2021年ノンフィクション本大賞」ノミネート作品!
コロナ禍で甲子園が中止になった夏。
夢を奪われた選手と指導者はどう行動したのか。「このまま終わっちゃうの?」
2020年、愛媛県の済美と石川県の星稜、強豪2校に密着した元高校球児の作家は、彼らに向き合い、〝甲子園のない夏〟の意味を問い続けた。退部の意思を打ち明けた3年生、迷いを吐露する監督……。パンデミックに翻弄され、日常を奪われたすべての人に送る希望のノンフィクション。文庫化に際し、新たに両校の監督を取材した追章を加筆。愛媛新聞記者・山本憲太郎氏による解説を追加した。