羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

栞と嘘の季節

栞と嘘の季節 (集英社文芸単行本)

 

待ってました!続編が出てくれて嬉しいです。

また、堀川と松倉に出会えて嬉しい限りです。前作の本と鍵の季節が絶妙にまとまっていたし、2人の関係もひと段落していたので、シリーズ化は難しいのかなと思っていたので、シリーズ化していきそうで良かった

前巻で深い部分まで知ってしまい、遠慮がある関係になったら嫌だなと思っていましたが、より砕けた関係になっていて安定しました。2人の会話の流れがシュールだが、推理は冴えている。

油断している時に放つ核心をつく台詞にはハッとさせられます。

 

今作は長編で、本の栞として毒が挟まれていることから発展していき、結末までたどり着くのが油断出来ない状況で、最後まで惹かれました。

ただ、真犯人の扱いや栞の後始末に関しては、もう少し踏み込んで欲しかったが、そこら辺は次巻で見えるのかな。

最初は探りを入れただけだったのに、想像以上に事態が重たくなっていく流れが上手い。

瀬野という人物や、東谷、植田など、チョイ役かと思っていたら… なるほどなと。

物語に入っていたのは驚きました。

前巻でちょろっと出た評判の悪い先生が痛い目に合うのはまさかでした。

 

ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編!
直木賞受賞第一作

猛毒の栞をめぐる、幾重もの噓。

高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と噓をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!