前巻の尾を引いていて、暗い雰囲気からの始まり。
圧倒的な悪の前では、正義は役に立たないのか問われる展開に。
民衆達の冒険者への憎悪は誘導されている感があり、歯痒い。
冒険者も救おうと動くが、悪の悪知恵に翻弄されているので言い返せない。
正義とは何なのか。
リューがもがき苦しむ様子は辛い。
しかし、冒険者だっていつまでも下を向いていられない。
冒険者達が悪に対して行動で正義を示すように奮い立つ様子は胸熱です。
フィンやアスフィ、ガレスなど、様々な冒険者の矜持が見れて貴重でした。
ヘルメスが真面目に動いたり、シルさんの民衆を諭す言葉も印象的でした。
悪に対して、正義を示すべく冒険者達の士気が上がったところで次巻へになったので、非常に気になる終わりでした。
蔓延していた悪を正義が反転してみせたのは良かったです。
アストレアファミリアが正義と言われる所以も感じられました。
後に『死の七日間』と呼ばれる、オラリオ最大の悪夢が訪れる――。
闇派閥(イヴィルス)による大攻勢にさらされた迷宮都市。街を支配した『巨悪』に抗う冒険者たちだったが、悪辣な計略、終わりのない襲撃、更には守るべき存在である民衆にも非難され、次第に消耗していく。知己を失い、自らの正義が揺らぎつつあるリューも同じだった。そして、そこへ畳みかけられる『邪悪』からの問い。
「リオン、お前の『正義』とは?」
崩れ落ちる妖精の少女は、黄昏の空の下で選択を迫られる。
これは暗黒期を駆け抜けた、正義の眷族たちの星々の記憶(レコード)――。