青春、オカルト、ミステリ、バトル、様々な要素が詰まっていました。盛りだくさんのようですが、青春が濃かったのは嬉しかったです。
それぞれ事情を持った4人が学校に閉じ込められて、学校から脱出するために怪談を解いていくことに。
次第に仲が深まり、背負っているものも明らかになっていく流れはスムーズで、読みやすかったです。
それぞれの登場人物に親近感が湧き、困難に立ち向かうのは直球ですが、良いですね。
怪談自体も、解けるために様々な要素を噛み合わせなければならず、パズル感覚で楽しめました。
そして、最後の怪談が解けた後の切なさは、辛かった。それだけに最後の引きは… 続きに期待してしまいますね。
最後の種明かしを見て、伏線が確かに巻かれていて唸りました。見事な締め方でした。
遊辺高校の新入生・中里蓮(なかざと・れん)は、12年前に校内で起きた神隠し事件を解明するため超常(オカルト)を調査する“頂上探究部”を訪れた。
しかし、3人のそりの合わない同級生とともに、超常的な力によって部室に閉じ込められてしまう。
この学校の七不思議をすべて解き明かさなくては、永劫にそこに囚われるーー
そんな警告文に続いて現れたのは、弾き手のいない三味線、鬼の造った階段、生徒を喰らうオオカミなどの、本物の超常現象。
謎解き好きの少女・垣木紫苑(かきのき・しおん)から助手役に指名された中里は、彼女の乱暴な推理を助けながら、ありがちに思えた七不思議の裏に秘された学園の真の姿に迫っていく。誰にでも公平であろうとする少年と、誰かの特別になりたかった少女のための青春ミステリ!