羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

そして、よみがえる世界。

そして、よみがえる世界。

 

あらすじから好きそうだったが、やはり読んで良かったです。

序盤から中盤にかけて物足りない感じがありました。説明が多くて、見えない部分があるのが理由かな。

しかし、中盤以降の謎の種明かしと緊迫した展開にはのめり込めました。

前半の謎だった部分が明らかになることで、見え方か変わる構成だったのが良かったですね。

また、隠されていた真実は辛かったが、それが報われる終わりだったのは救いがありました。

 

最後まで読まないと判断出来ない物語でした。タイトルに直結する最後には込み上げるものがありました。

SF、ミステリ、バトル、全てが詰まっていて魅力的でした。

 

医療テック企業、SME社が開発した脳内インプラントテレパス〉によって、介助用ロボットや仮想空間〈Vバース〉でのアバターの直接操作が可能となり、身体障害者の活動範囲が大幅に拡大した近未来。事故で脊髄を損傷しテレパスユーザーとなった脳神経外科医の牧野は、かつての恩師で、現在は同社の役員である森園からオペの代理執刀の依頼を受ける。記憶と視覚を失った少女エリカに視覚再建装置を埋め込む手術は無事成功したはずだったが、術後エリカは謎の黒い影の幻に脅かされるようになる。そして院内では新たな事件が起こり、経営陣の一人が犠牲に……。仮想と現実のはざまで少女を翻弄する幻影の、その驚愕の正体とは!? 第12回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。