再読したら、1度目とは違った感覚になって読み終えられました。
インパクトは薄いかもしれないが、周囲を気にして生きていた主人公にとっては革命を起こしたんだなと。
学生の頃の夜は大人とは違う悩みや迷いを呼ぶ。
主人公・あっちーが想像が膨らみすぎて身動き出来ない。悶々としながらもうちに眠る葛藤を打ち破っていく様は見事でした。
学生ならではの閉塞感と鬱屈した感情を描いていて、胸が詰まる展開でした。
よるにばけものになるのも無理はない。
しかし、読み終えるときにはスッキリした気持ちになりました。
モヤモヤしながら生きるより、自分の意思を持って生きる方が何倍も良い。今作の鍵になる矢野さんには天晴れ。彼女は強い。特殊な人間ではなく普通の人間なんだよな。
夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいて―。大ベストセラー青春小説『君の膵臓をたべたい』の著者が描く、本当の自分をめぐる物語。