羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

公務員、中田忍の悪徳 (3)

公務員、中田忍の悪徳 3 (ガガガ文庫)

 

2人目のエルフが登場!?ということでしたが蓋を開けたら、そういうことかと納得。

アリエルの仲間と思いきや、アリエルの羽を見つけることで、エルフの存在を確信する環が登場。

新しく登場した環の背景を想うと泣けてくる。

辛い生活を送っていた環にとっては、エルフという存在は縋りたくなる存在だった。

忍と環の探り合いは悲しい現実と向き合うものだったが、互いにとっては自身の気持ちと折り合いをつけられるために必要だった。

 

そして、忍が様々な葛藤を経て、変わっていく様子もじんわりと来ました。

忍の中でアリエルとの距離感も変わり、関わり方も変わっていくのが楽しみ。

今まで通りではない日々は様々なハプニングがありつつも、嬉しい発見の連続で良いですね。

仲間も集まってきて、今後どうなるのだろうか。

 

 

俺は二人目の異世界エルフを見殺しにする。

年の瀬も押し迫るころ――。
壁、電柱、道路、市内のそこここに魔法陣のような謎の紋様が落書きされる奇妙な事件が頻発していた。
そしてその落書きは、アリエルが忍たちに描いてみせた紋様と酷似していた。
SNSによって伝播していく魔法陣の画像の出現時期と、アリエルの来訪時期がほぼ一致することから、忍たちは“二人目の異世界エルフ”の存在を推測。
だが、我らが中田忍は、

「俺は、二人目の異世界エルフを保護するつもりはない」

と、二人目の異世界エルフを見殺しにすることを宣言する。
自分たちがこの件に深入りし目立った行動を起こすことで、アリエルの存在までもが脅かされる可能性を危惧したのだが……。

――12月30日。
落書き騒動がついに全国ニュースへ取り上げられてしまったため、行政の手抜きを糾弾されないよう、市長の一声で区民の防犯パトロールに区役所職員も参加することになる。
私人でなく公務員として“魔法陣事件”に干渉する権利を得た忍は、真相を探るべく動き始める。

“二人目の異世界エルフ”が巻き起こす、新たな騒動。激情と勝負の第三幕!