羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

賭博師は祈らない

賭博師は祈らない (電撃文庫)

 

久しぶりに読み返したくなりました。

デビュー作ながら、完成度の高さを再確認出来ました。

何度読んでも良作。

ラザルスが信念を曲げてでもリーラを助けようとするのは熱い。どうでもいいと投げやりに生きていた男が徐々に変わっていく心境も見応えがあります。

リーラを助けるために賭博場に喧嘩するラザルスの度胸に男らしくて、痺れました。

ラザルスの周りにいる人達も、ラザルスが独りから1人になっていくのを見守っていて、距離をとりながらも気にかけてくれる人のありがたみが感じられます。

 

十八世紀末、ロンドン。賭場での失敗から、手に余る大金を得てしまった若き賭博師ラザルスが、仕方なく購入させられた商品。―それは、奴隷の少女だった。喉を焼かれ声を失い、感情を失い、どんな扱いを受けようが決して逆らうことなく、主人の性的な欲求を満たすためだけに調教された少女リーラ。そんなリーラを放り出すわけにもいかず、ラザルスは教育を施しながら彼女をメイドとして雇うことに。慣れない触れ合いに戸惑いながらも、二人は次第に想い通わせていくが…。やがて訪れるのは二人を引き裂く悲劇。そして男は奴隷の少女を護るため、一世一代のギャンブルに挑む。第23回電撃小説大賞・金賞受賞作!