羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

十日間の不思議〔新訳版〕

十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

毎回のことだけど、ライツヴィルシリーズ作品、どれも読み終えてからの衝撃が重たい。

張り巡らされた伏線を回収して、犯人の真意まで追っていると、ドッと来ます。

馬鹿正直に読んでいたから、真相にたどり着いた時にもっと注意して、考えていればと思いました。頭を使っていれば充分想像出来たのにと悔しくなりました。

また、真相の裏側は後期クイーン問題が絡んでいて、悩ましいことに。

探偵の推理すら間違えていたら、誰が間違いを正すのか。確かに難題だ。

エラリイが無意識に犯人に利用されて、誤った推理に誘導させられて、落ち込むのも無理はない。

エラリイが探偵から降りると決意したが、今後どうなるかな。

 

ぼくを見張ってほしい――たびたび記憶喪失に襲われ、その間自分が何をしているのか怯えるハワード。 探偵エラリイは旧友の懇願を聞き入れて、ハワードの故郷であるライツヴィルに三たび赴くが、そこである秘密を打ち明けられ、異常な脅迫事件の渦中へと足を踏み入れることになる。連続する奇怪な出来事と論理の迷宮の果てに、恐るべき真実へと至った名探偵は……巨匠クイーンの円熟期の白眉にして本格推理小説の極北、新訳で登場。