羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

パラ・スター 〈Side 宝良〉

パラ・スター 〈Side 宝良〉 (集英社文庫)

 

負けず嫌いの宝良の内面は意外にも脆さが見えて、今作を読むとより宝良を知れるので良かったです。障害が残り、車いすテニスしかない不安や母との距離感、上手くいかない歯痒さ、様々な困難がありましたが、ゆっくり乗り越えていく姿を追いかけていくと、力を貰えました。

宝良視点だと、だいぶクールに見えますが随所で熱い場面がありました。

負けたくない、逆境に陥っても勝とうとする宝良の姿勢は様々な人に勇気を与えていました。百花も成長していて、互いに切磋琢磨している関係が羨ましくなります。

 

お仕事、青春、スポーツ、障害、様々な要素が詰まっている素晴らしい作品でした。

 

東京パラリンピックまで、あと数ヶ月。車いすテニス選手の宝良は女子の代表候補として注目を集めるが、昨年末から不調が続き苦しんでいた。勝利を掴むため、宝良は親友の百花が働くメーカーの競技用車いすを採用。夢に向かい努力する百花や小学生みちるとの交流を経て、競技への思いを強くする宝良。そして、世界の強豪選手が勢揃いするアジア最高峰の大会ジャパンオープンの幕が上がる―!感動の青春スポーツ小説!