羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

我が家のヒミツ

我が家のヒミツ (集英社文庫)

 

穏やかな気持ちになれるシリーズ。秘密を持ちながら生きるのは普通に感じる。人には話せないような気持ちをユニークに描きながらも、しっかり落としどころがあるのは良いですね。迷ったり、悩んだり、後悔したり、そういう胸中を表すのが上手い。

人は人、様々な考えを持つ人ばかりだからこそ、分かり合えない部分もあるし、分かり合えることもある。

どんな出来事も自分が経験しないと分からないものだな。

登場人物が成長、変化していく、様子が魅力的でした。

 

結婚して数年。自分たちには子どもができないようだと気づいた歯科受付の敦美。ある日、勤務先に憧れの人が来院し…(「虫歯とピアニスト」)。ずっと競い合っていた同期のライバル。53歳で彼との昇進レースに敗れ、人生を見つめ直し…(「正雄の秋」)。16歳の誕生日を機に、アンナは実の父親に会いに行くが…(「アンナの十二月」)。など、全6編を収録。読後に心が晴れわたる家族小説。