羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

犬と魔法のファンタジー

犬と魔法のファンタジー (ガガガ文庫)

 

久しぶりに読み返しましたが、面白いです。

ファンタジーな世界で就活を通して生き方を説いてくる今作は凄い。コミカルに描かれているが就活の違和感をこれでもかと詰め込まれていて、濃い1冊でした。

自分を曲げたり、話を盛ったり、実際にありそうなエピソードなのがまた良い。

 

就活を通して、自分とは何かという悩みについて掘り下げていく作品でした。悩める人に届いて欲しいメッセージ性があったかなと。

 

主人公チタンの迷える生き方は大変だろうと思いましたが、答えを出せた結末は非常に良かったです。

自分らしく、生きるというのは難しいことかもしれないが大切なことなんだよな。

 

「剣と魔法の大冒険」は遠く昔になりにけり

かつて、偉大な始祖文明が大地に栄えていた。
だが滅びた。
かつて、剣と冒険と神秘の時代があった。
だが廃れた。
現在、『新大陸』はとても平和である。

未踏の地を夢見て、若者たちが冒険の旅に出たのも、今は昔。冒険なんて、時代遅れもいいところ。今の若者の夢は、無事に就職すること。
主人公・チタンは一生安泰の宮廷務めを目指し就職活動中。しかし、なかなか採用されず苦戦続きでやさぐれていた。
そんなチタンの前に現れ、冒険という悪の道に誘う中年男・ケントマ。しかし、今時、冒険者など流行らない。食べていけない。
冒険者の才能がある、としつこく誘うケントマから逃げ回るチタンだったが……。

さえない大男、あまり美しくないエルフ、そして一匹の白い犬が織りなす「ファンタジー世界」の青春とは?