羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

人間の哀愁が漂う Iの悲劇

Iの悲劇


米澤穂信先生の新作は寂れた村の復興Iターンプロジェクト。


死んだ村を復興させるために、移住民を集めるが、様々な問題が浮かびあがる。何から何までも甦り課に苦情がきて、対応していく。

一章 近所付き合いの裏側

二章 あっけない事実

三章 善意が全て正しいとは

四章 溜まった感情が溢れると

五章 幸せとか感傷

六章 真意はどこだ

終章 悲劇の全容

各章で違った問題や謎で短編らしく、短い間にまとまってます。中でも一章、五章が好きでした。

そして、全ての短編は繋がっていて、最後の悲劇に繋がります。読んでいて、薄気味悪い嫌な予感がすることは、全てが的中して、それはどうしようもなく、現実で、受け入れたくないけど、受け入れないといけない。なんて悲しいんだ。読み終わった後は色々な感情が浮かびあがってきて、収まりきれません。

圧巻の最後でした…


そして、誰もいなくなった。を米澤穂信先生が調理したらこうなるのかと思いました。


どこにこのモヤモヤをぶつければいいんだ。



頭に残る作品ですね。