羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

秘境駅のクローズド・サークル

愉快、痛快、素晴らしいミステリの連続でした。 放課後探偵団1.ネクスト・ギグを読んでいるので、ミステリを描くのが上手いと知ってはいたが、全話面白い短編集で、恐れ要ります。各話趣味趣向を凝らして、読者を楽しませにくるのが伝わってくる1冊でした。 …

RE:BEL ROBOTICA 0 -レベルロボチカ 0-

前日譚。タイキとリリィの出会いのエピソードでもあり、タイキの高校入学時の浮き具合も表していました。本編読んだ後に読んだので、タイキとリリィの馴れ初めに微笑ましかったです。 また、タイキのバクは学校生活を送るうえで苦労するものだが、不思議なポ…

RE:BEL ROBOTICA -レベルロボチカ-

SFと群像劇の作品を三雲岳斗先生が書くと知り、楽しみにしていましたが良かったです。 様々なジャンルを器用に書き分けられる先生の魅力が加わっていたのではないかなと。 SF設定と学生達の青春群像劇という主題を上手く駆使していて、かなり興味深くて面白…

2022年 10月購入予定&注目作品

新作、新刊と数多くの読みたい作品が多いです。 新作ではミステリーとしては秘境駅のクローズド・サークル。 文芸では辻堂先生の君といた日の続き。 他にはさがら総先生の新作の恋と呪いとセカイを滅ぼす怪獣の話。 高校事変のスピンオフ、優莉凛香 高校事変…

あの夏の正解

ノンフィクション。これはフィクションではなく現実にあったこと。読んでいて、フィクションだったら…と辛い気持ちになります。 2020年、コロナが流行し始めた年。夏の甲子園は中止を告げられた。球児、監督の心中はいかに。 目指していた舞台を取り上げられ…

青空と逃げる

傲慢と善良に登場したあちこちを放浪としている親子が主人公と知り、読みました。 なぜ、逃走することになったのか、徐々に明らかになる逃走の始まりを知ると芸能界、有象無象の悪意と追求が厄介でしかない。 スキャンダルを起こした人の家族が苦しむ話で終…

アルマーク2 北からの暗殺者編

あっという間に夏休み。 休暇中の帰省を見ると良い家の生まれが多いのだな。 さておき、今回はウェンディが帰省しているときに命を狙われてるということで、たまたまアルマークとモーゲンがそれを知り、防ぐというもの。 アルマークの傭兵らしさが出る戦略や…

明日の僕に風が吹く

単行本の発売時から気になっていたが、頭から抜けていました。 文庫の表紙が気になって、思い出して読みました。 医師になりたいという憧れから行動を起こしたが、失敗してしまい、夢を見れなくなってしまった少年・有人が離島で再生していく。 医師になりた…

付き添うひと

最高でした。 最近、岩井先生作品が好きなので新作を楽しみにしていましたが、非常に満足度が高いです。 岩井先生の作品でスポットが当たる職業がメジャーどころではないのが良いなと再確認出来る作品でした。弁護士は弁護士でも、少年犯罪を取り扱う付添人…

JK II

まさかのシリーズ化! 衝撃的な作品だった前巻からどう続くのか気になっていました。 まとまっていたので、どう物語を展開するのかと思いましたが、流石はベテラン作家ですね。 上手い! 最後まで読めば分かるけど、JKという女子高生の意味だけでなはなく、…

花は咲く、修羅の如く 3

Nコンへ挑む花奈達。 朗読はただ読めば良いではなく、どの本を選んで、どこを読むかを決めなければならない。当たり前なんだろうが、大変だ。 制限時間もあるだろうし、意外と難しそう。 勉強になります。 放送部の部員同士が掘り下げられていくことで、些細…

探偵は友人ではない

青春ミステリ作品でもかなり好きなシリーズの2作目。 表紙が単行本から変わっていたが、これはこれで良いですね。 内容としては、前作の探偵は教室にいないに比べて、よりなぜそんな不思議なことが起きるのか、起きた背景を掘り下げる解像度が増していたなと…

ペンギンは空を見上げる

最高の読書体験でした。 ちょっとしたミステリがありつつも軸は少年、少女の成長物語。 思春期の葛藤と成長、そして希望が詰まっていて、心に響く成長物語になっていました。 心洗われるとはこのことか。 主人公・ハルがなぜ風船ロケットを飛ばし、宇宙を目…

夏は終わらない 雲は湧き、光あふれて

完結。様々な視点で描かれていたが、三ッ木高校に絞ったのは非常に良かったと思う。 球児の夏を凝縮しているようで、夏にピッタリの読み応え。 弱かった三ッ木高校が強くなっていることが既に感慨深いものがあります。しかし、弱かったチームから急に厳しく…

キュレーターの殺人

ワシントン・ポーシリーズの3作品目。 毎回のことだが、厚い。 しかし、それが気にならないくらい夢中になって読めました。 前1.2作品は面白いのだが、読むのに時間がかかっていました。 今巻は場面展開がスムーズだったり、ポーとティリーの関係が安定して…

アルマーク1 魔法学院入学編

読書メーターで献本サービスをしていて気になっていた作品。 webで人気がある作品のようで、読んでみようかなと。 王道ファンタジーということで、世界観、主人公、舞台、説明に終わってしまったので単巻での評価が難しい。しかし、戦しか知らない主人公・ア…

鬼人幻燈抄(四)幕末編 天邪鬼の理

あぁ、この作品好きだなと改めて思う1冊。 刀を振るう機会がなくなっていき、武士の時代が終わる間際に揺れる武士の迷いが見事。そこに鬼の存在が絡んできて、より複雑になっていく。 辛くて儚い。だけど、それで終わらずに前向きに未来へ行けるような余韻が…

天才王子の赤字国家再生術12~そうだ、売国しよう~

ウェインとニニムの関係は1巻から強固に結ばれている感じが出ていて、いかにしてそうなったのか馴れ初めが気になっていた。 そして遂にウェインとニニムの初めましてのエピソードが入ってる!と気持ちが上がりました。挿絵で小さな頃の2人を見るだけで嬉しか…

invert II 覗き窓の死角

ドラマ化、コミカライズ化、おめでとう! 絶好調のシリーズなので早くも3冊目。 しばらくは相沢先生、このシリーズ中心かな。 さて、今回は短編1本と表題作の中編1本。前半の短編は紙魚の手帖で収録されていたので読んだことがありましたが、改めて読んでも…

税金で買った本(4)

図書館の知識は知っているようで、知らない。 勉強になります。 本を返却して、すぐ借りるのは確かに所有しているようになってしまうよな。 借りた本の紛失について、借りたカードの持ち主か失くした人どちらが責任を取るかでは、カードの持ち主に責任がある…

薫る花は凛と咲く(4)

凛太郎達と薫子、昴の距離がグッと近づいていて、良い傾向だ。 しかし、学校間の関係は険悪なまま。 だけど、互いの生徒は距離がありつつも、気になってしまう様子があり、交流が出来れば雪解けは出来るのではないかな。ネックは桔梗の教師かな。和解するま…

リコリス・リコイル Ordinary days

今、勢いに乗っているアニメのスピンオフ小説。 発売前の重版が決まるのはかなり凄い。 それだけ注目されているということ。 まったりとした日常感が素晴らしい。喫茶店リコリコのお客さんから見た店の良さは羨ましく見えました。こんな落ち着ける、隠れ家み…

方舟

帯のミステリ作家陣の書評を読んで期待値が上がってましたが、それを頷ける衝撃がありました。終盤まで、このまま推理するだけだと少し味気ないなと思っていたら、まさかの真相に度肝を抜かれました。 作中にトロッコ問題について語られていたのはそういうこ…

傲慢と善良

単行本の時から気になっていたが、気づけば読んでなかった。 文庫化ということで読みましたが、圧巻でした。婚活小説であり、恋愛小説。そして、人が持つ傲慢と善良のそれぞれの側面を掘り進めていて、生々しく重い。だけど読む手が止められない。辻村深月先…

2022年8月読んだ本とおすすめ作品

新作で印象的だった作品は凪良ゆう先生の汝、星のごとくですかね。かなり面白かった。 他にはラノベのファンタジー作品でチルドレン・オブ・リヴァイアサンが印象的でした。 ミステリーでは阿津川先生の録音された誘拐はかなり惹きつけられました。 新刊では…

エースナンバー 雲は湧き、光あふれて

今回は、前巻で記者のエピソードで登場した三ッ木高校を掘り下げられていて、若監督の奮闘とエースとキャプテンの葛藤があり、より三ッ木高校を応援したくなりました。 野球経験のない、素人監督だからこそ相手チームの監督に意見を聞いたり、選手と同じ目線…

夏を取り戻す

1年振りに再読。 夏の季節にピッタリの作品だ。2度目なので俯瞰して読めました。伏線の貼り方が上手いなと改めて確認出来ました。 また、見逃していた部分を発見できて、何度読んでも考えさせられる小説だなと。 小学生達が失踪した理由、そして、調査する側…

2022年10本目映画ブレット・トレイン

伊坂幸太郎先生のマリアビートルがハリウッド映画化となれば、観に行くしかないよな。 自分は吹き替えで観ました。 細かな部分は流石に忘れていたが、原作を読んでいても普通に楽しめる。いや、かなり気持ちが沸き立ちました。 新幹線の中で起こる殺し合いと…

小説の小説

似鳥鶏先生のあとがきを優に超える、おふざけ度。最高にふざけてるのに読み応えある不思議。どの短編もあの手この手で、翻弄してくるのが面白かった。 読む前から帯やあらすじでかましてくるのは想像出来たが、大幅に超えてきた! ルビ、注釈、文章、カバー…

エフィラは泳ぎ出せない

デフ・ヴォイスシリーズの丸山先生が推薦分を帯に書いてるとなれば読むしかないなと。 障害を抱えて生きている人にスポットを当てて小説にするのは難しいと思いますが、今作は障害を持って生きた青年・聡の人生で関わってきた周りの登場人物を掘っていくこと…