羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

世界でいちばん透きとおった物語

タイトルが大袈裟ではなくて、そのままの通りだったのは驚きました。 序盤から終盤まで死んだミステリ作家の原稿を探していて、その過程で知る作家の人間性になんだかモヤモヤする展開だなと思いましたが。最後の真相判明でガラッと変わりました。 そう来る…

それってパクリじゃないですか? ~新米知的財産部員のお仕事~

ドラマをきっかけに手に取りました。自分の知らない、知的財産というのを題材にしたドタバタ作品でした。勉強にもなるし、盛り上がりもあって、良かったです。 商標乗っ取り、など実際にありそうな出来事の裏側を除いているようで楽しかったです。 主人公・…

君は医者になれない 膠原病内科医・漆原光莉と血嫌い医学生

タイトルから気になって読みました。 血が苦手だが医師になりたい主人公・戸島。設定からして困難が予想されているが、やはり壁にぶつかる。進級が危うくなったり、死に際の患者に寄り添ったり、友人の病気、様々な悩みが尽きない。 それでもしっかり患者と…

ハイキュー!! 4

菅さんか影山か。ポジションが重なっているが故に競争になるが、菅さんの方から気持ちを表明するのは中々出来ることではない。 烏野のライバルである音駒が登場。 しのぎを削る相手がいるというのは良いものだ。 各選手が影響を受けて成長していく様子は青春…

育休刑事 (諸事情により育休延長中)

続編が出たということはシリーズ化かな。嬉しい限りです。 蓮くんの成長を追ってるの楽しいです。段階を追って出来る事が増えていくのは親にとって嬉しいですよね。育児の困難は多々あるが、赤ん坊の笑顔を見れば吹き飛ぶのは分かる。 育児を交えながら、密…

魔女の原罪

やはり五十嵐律人先生の作品は素晴らしいなと。テーマがあり、それを生かす舞台を整えるのが非常に上手い。法律を遵守するあまり、法律でなければ何やっても良いという歪な街を舞台にしていて、惹き込まれる導入でした。 今回は犯罪加害者、被害者、そして傍…

ハイキュー!! 3

そうか、最初は日向が自分の役割に納得がいってなかったんだった。 囮としての役割に納得出来ない日向を説得した影山の声は日向本人によく刺さった。 エースが取ろうか、他が取ろうが1点は1点。 日向だけではなく、菅さんがセッターとして。 旭さんはスパイ…

スキップとローファー 6

バレンタイン回。高校生の年頃のムズムズするような甘酸っぱい雰囲気が再現出来ていて、作中の彼らの日常が羨ましくなります。 今回はミカの内面に突き刺さるようなエピソードでした。努力で外面を変えたからこそ、内面に自信を持てない彼女が告白を通して、…

スキップとローファー(5)

美津未が志摩への気持ちを自覚して、いよいよ始まるなぁ!と高まりました。それで女子らしく磨こうと奮起するの良いね。 まことも先輩を意識してオシャレを頑張る姿は綺麗だった。 良い甘さと苦さがありました。 美津未の叔父の過去は、辛さがあり、よく耐え…

スキップとローファー(4)

志摩が演劇に、美津未が実行委員に。それぞれ悩むことに。だけど、互いに支え合って前に進んでいく様子は暖かい気持ちになる。志摩の幼馴染や母との確執がなくなると良いな。 志摩が吹っ切れたのは良かったです。 他の登場人物達も群像劇みたいに、あちこち…

ハイキュー!! 2

日向と影山の速攻が決まった時の高まりは堪らんなぁ。 バチっと決まった感覚がある。 互いに弱さを補い合うパートナーみたいで良い。ただ、日向が弱々しいけど笑 初練習試合では中々上手くいかない部分もあったが、これからと期待させる可能性が充分に描かれ…

スキップとローファー(3)

志摩はモテモテだけど、周りに一線引いてるところがあり、そこが気になっていた。徐々に明かされていく感じみたいだが、闇深い。 だけど、志摩が悪いやつではないのが分かる今回。美津未だけでなく、叔父さんやミカも感じて安心安心。 女子会のワイワイした…

機械仕掛けの選択 サクラダリセット3

ソウマがケイとハルキを導いたのが辛すぎる。未来が見えるからこそ、それをなぞるしかなかったのが耐えられなかったのかな。 ケイ、ハルキ、ソウマの3人の過去編。全てはここからといったところから、現在に繋げるのうますぎる。構成が素晴らしすぎる。 ケイ…

魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2

ケイとハルキの関係について触れていたが、能力があるなしに関わらずに付き合っていけたら理想だよなと。どちらかといえばハルキが怯えているのをケイが拾っていくのが良い。ただ、ケイもハルキも本心でどう思っているのか話し合っていないのもあれだな。そ…

猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1

好きなシリーズなので、1から読み返そうかなと。 前読んだのが約7年前という驚き。そんな前だったか… 物語の印象として優しい話ではあるんだが、ケイの自己犠牲が残酷。その決断をするのも悲しいし、春埼に見せるのもなぁと。ケイとハルキの関係の歪さはわり…

スキップとローファー(2)

志摩の隠された一面が明らかになり、彼の脆い部分が見えました。そんな志摩は美津未と一緒にいることで変化していきそうですね。逆も然り。 スケジュール管理に追われる先輩、努力で自分を変えたクラスメイト、それぞれが自由に視野が広い美津未と関わること…

横浜ネイバーズ

岩井圭也先生の最新作。 横浜中華街を舞台にした地域に根ざした物語になっていました。だからこそ、横浜中華街で起こるそれぞれの問題に首を突っ込んでいく主人公・ロンが魅力的でした。 ふらふら生きているようで、他者の悩みに寄り添って、事件解決のため…

ハイキュー!! 1

自分の中で部活漫画で1番好きな作品です。 久しぶりに1から読み返そうかなと。 日向と影山、正反対のようで根っこの気持ちという部分では同じで、今に満足してなくて上へ向かっていこうとする姿勢、バレーへの情熱は互いに高い。しかし、周りが見えてないの…

犬と魔法のファンタジー

久しぶりに読み返しましたが、面白いです。 ファンタジーな世界で就活を通して生き方を説いてくる今作は凄い。コミカルに描かれているが就活の違和感をこれでもかと詰め込まれていて、濃い1冊でした。 自分を曲げたり、話を盛ったり、実際にありそうなエピソ…

その着せ替え人形は恋をする(11)

前からだけど、コスプレを表現する絵が素晴らしい。作中作を落とし込むのは難しそうだけど、表現するの上手い。 コスプレに限らずだけど趣味をいつまで続けられるかは人次第だし、知らない人から言われるのは頭に残る。それでも、前を向ける台詞があって救わ…

あかね噺 1

落語が題材になっていて、知らない世界に入れた感じがして良かったです。 物語としても、父に憧れた娘が意思を継いだ形になっていて、王道で話に入りやすいです。 様々な困難がありそうですが、うち破っていきそうな主人公でした。 落語界を学ぶと同時に大事…

スキップとローファー(1)

アニメ見て、原作読んだら沼に入りそうです。主人公の美津未は田舎から上京して、未来に希望を抱いている。 初日から災難ばかりでしたが、ポジティブに前に突き進む姿は魅力的でした。 まだ慣れてない環境だが、美津未は生きたいように動いていて周りの人に…

ゴリラ裁判の日

タイトルが衝撃的ですが、中身はゴリラが言語を理解しているから起きる悩みや辛さの数々のことを描いていて、本質的には人と同じということ。愛した夫が殺されたローラの苦しさは人に伝わらないのがもどかしい。人から見れば動物の命と子供の命は平等ではな…

2023年3月読んだ本とおすすめ作品

古典部シリーズの愛蔵版は良かったなぁ。 ・おすすめ作品 愛蔵版〈古典部〉シリーズI 氷菓・愚者のエンドロール 教室に雨は降らない 答えは市役所3階に 2020心の相談室 鬼人幻燈抄 (五)-明治編 徒花 掟上今日子の旅行記 エール 夕暮れサウスポー 我が家…

鴨乃橋ロンの禁断推理 10

M家の内通者を探り合う推理が見事!無関係な人が巻き込まれているので、よりハラハラしました。また、ロンの過去の事件の真相にも手が届いたのは非常に嬉しい。情報が詰まっていて、ついていくのに夢中でした。 ロンとトトの関係も大分深まってきて、ロンの…

勿忘草をさがして

鮎川哲也賞最優秀受賞作 去年は受賞作が無かったので、今年はあって良かったです。 花と人、おろそかになってしまいそうな事を見つめ直していき、人の関係を前に進めていく優しい物語でした。 人情味ある物語でありながらも、ミステリとして気になるようなシ…

チェンソーマン 11

追い詰められたデンジを助けるのは、やはりポチタ。素晴らしい相棒だよ、ホントに。 パワーがあのままお別れは嫌だったから、少しは救われる形になって安心しました。 今までマキマさんのいう通りだった、デンジが考えて繰り出したマキマさんへの襲撃は良か…

我が家のヒミツ

穏やかな気持ちになれるシリーズ。秘密を持ちながら生きるのは普通に感じる。人には話せないような気持ちをユニークに描きながらも、しっかり落としどころがあるのは良いですね。迷ったり、悩んだり、後悔したり、そういう胸中を表すのが上手い。 人は人、様…

居残りすずめの縁結び あやかしたちの想い遺し、すずめの少女とお片付け

パッケージが非常に良くて、あらすじからも良さそうな雰囲気がありました。 想像したように、心に沁みるエピソードが詰まった作品でした。優しいメッセージが込められていて、癒されました。 別れからの後悔はあると思うけど、人と動物なんて感情揺さぶられ…

ロスト・ケア

映画観てから読んだので、違いがより感じられました。どちらも良かったです。 原作だと終始、淡々と進むのと情報量が多いので、より重みを感じられました。 家族介護の限界、福祉の穴、生き地獄ともとれる現実を見せつけられました。今作はだいぶ前の作品で…