東京創元社
うわー、そう来るか!と驚かされる1冊。というかマリア&漣シリーズは毎回そう。 今回は現代設定で吸血鬼が登場してきて、いるわけないのに状況設定からいるとしか思えなくなってしまう。摩訶不思議な殺人、脱走した殺人鬼、緊迫感ある展開で最後の最後まで…
ラノベでミステリを描いてた玩具堂先生が東京創元社デビューとは、読者として嬉しい限り。 癖が抑えめでしたが、するする読み進めやすい文章は健在でした。 日常の謎。 語り手や名探偵が高校生なので、青さがあります。ただ、事件の真相に辿り着くと大人、成…
鮎川哲也賞最優秀受賞作 去年は受賞作が無かったので、今年はあって良かったです。 花と人、おろそかになってしまいそうな事を見つめ直していき、人の関係を前に進めていく優しい物語でした。 人情味ある物語でありながらも、ミステリとして気になるようなシ…
傑作でした。 犯罪は様々起きているが、犯罪と犯罪者にどう向き合っていけば良いのか悩む2組のペアを描いている。調査する正義の方と落ちていきながらも犯罪に染まっていきそうな方、どちらの視点があるからこそ、至る結論に説得力が生まれていました。 人の…
愉快、痛快、素晴らしいミステリの連続でした。 放課後探偵団1.ネクスト・ギグを読んでいるので、ミステリを描くのが上手いと知ってはいたが、全話面白い短編集で、恐れ要ります。各話趣味趣向を凝らして、読者を楽しませにくるのが伝わってくる1冊でした。 …
デフ・ヴォイスシリーズの丸山先生が推薦分を帯に書いてるとなれば読むしかないなと。 障害を抱えて生きている人にスポットを当てて小説にするのは難しいと思いますが、今作は障害を持って生きた青年・聡の人生で関わってきた周りの登場人物を掘っていくこと…
蝶として死す。から続巻が出るなんて嬉しいです。 やっぱり不憫な頼盛さん。清盛に振り回されている姿は歯痒い。それでも、自分のなすことをしていく姿は応援したくなります。 清盛の息子達にいびられながらも、数々の嘘を見抜くのは痛快でした。 ミステリ…
映画化を機に読み返しましたが、再び物語に呑まれました。 世間では誘拐とされている事件も蓋を開けてみれば、救いの時間だった。 更紗と文の同居は世間から許されないものだったかもしれないが、許される必要があるだろうか。 世間は事実を拡大解釈して決…
紙魚の手帖に表題作が載っていて、読んでいたので面白さは知っていたが、それ以外の短編も惹きつける謎の死とトリックで、読み応え抜群でした。 各話、最後の最後まで分からないのが良い。 事件の状況が独特で、どのように殺人をしたのか分からないので、読…
特殊設定ミステリーとして、何構造にも重なりあっていて、真の結末までたどり着くまでの道のりが非常に困難なものになっていました。 だが、その中身はフェアなミステリーで頭を働かせて読み進めていくのに夢中になれました。 現実とVRゲーム空間を行き来し…
あらすじで興味が湧き、読んだが面白かったです。 コージーミステリーというのはあまり読みなれてなかったが、読み進めていくうちにのめり込めました。 探偵ではないが、好奇心を持つそれぞれの大人がカフェであーでもない、こーでもないと議論していく様子…
無戸籍者を題材にした社会派ミステリー。 無戸籍者がいるのは知っていたが、改めて知ることが出来て良かったです。当たり前の基準が変わってしまっている彼らにとって、戸籍を持っている人をどう感じているのか。学ばせてもらいました。 日々、当たり前に受…
剣崎シリーズ第3巻。 今回はテーマパークで斑目機関によって生み出された首切り殺人鬼に追われながら、近くに潜む殺人犯にも気を配らなければならないという厳しい状況に。 何が何でもクローズドサークルを作ろうとする熱意が感じられました。 様々な方法で…
今回もクローズドサークルを作られていて、包囲方法は古典的とも言えるが、包囲されて起きる殺人の連鎖は特殊で、なぜ行ったのかが気になって仕方ないです。 必ず的中するという予言が閉じ込められた葉村、剣崎達に襲いかかる。 読んでいる読者からすれば予…
マリア&漣シリーズ初となる短編集。 ジョン、漣、マリアの過去が明らかになる短編集で、どの話もスポットが当たる人物の掘り下げが抜群に上手いうえにミステリーとしても短編という制約がありながら凝ったというか、そこを突くかと唸るばかりで1話1話噛み…
刀と傘を読んで歴史ミステリーに興味が出てきたので、同レーベルから出てきた今作を読もうと思いました。 骨太な歴史ミステリーで、1話1話の真相に至るまでの難しさと解いた後に残される現実がとことん突き詰められていて、素晴らしいです。 なぜ、事件が起…
刀と傘の前日譚でしたが、またも胸が詰まるような畳み掛けが待っていて、侮れない作品でした。 前日譚って知って物語の導入に関する内容で油断してましたが、がっつり読み応えのある内容でした。 坂本龍馬、西郷吉之助が薩長同盟成立の裏で起こった事件。 …
今作もまたタイトルの意味が分かる最後になっていて非常に切なくて、胸が苦しくなる作品になっていました。 グラスバードってどういうこと?と思っていましたが終盤に明かされた時は頭をガツンと殴られた気持ちになりました。 予想してなかったことが急に降…
前作はタイムトラベル、今作は正体不明の生き物・マレヒトが事件の鍵になっていて、かつ孤島という設定。 素晴らしいミステリーでした。 特殊設定ミステリーということで、マレヒトという正体不明の存在が殺人を進めていくので先が読めずに無気味な雰囲気で…
前作のサーチライトの誘蛾灯を文庫で読み、続きを読みたいなと思ってたので文庫を待とうかと思ってましたが、待ちきれずに単行本で読みました。 自分の好きなミステリー作家さん達が絶賛していましたが、それも頷けるミステリーでした。 表題作の蝉かえるは…
待ちに待った続巻。 前作、探偵は教室にいないですっかり心が掴まれたので、楽しみにしていました。 今回もまた青春とミステリーが絡み合っていて、読み心地が良いです。 バランスがうまくて、話の中で無駄が一切なく描かれているので読みやすいし各話の読…
発売前から楽しみにしていて実際に読んだらハマった青春ミステリー作品です。 続巻が出るのが決まったので改めて読み直しましたが、登場する中学生の感情の揺れを上手く拾いあけでいるので日常の会話に惹かれます。 なので、どの人物も好きになること間違い…
今年の鮎川哲也賞の受賞作品はどんなミステリーだと期待してたら見事に読者の隙を突くようなトリックと犯人の姿が目撃者によって違う色を指しているという魅力的な設定を上手く利用した力作でした! 介護施設で殺人が起きるので、犯人を見たのを覚えていら…
久しぶりに息を殺して、ひたすら文章を必死に目で追う作品と出会いました。 本屋に行く人ならば、一度は目にしたことがあるはずの有名作。 どんなものかと読み始めましたが、あっという間に作品のもつ苦しさに呑まれて、最後まで惹きつけられる作品でした。…
マリアと漣の喧嘩っぷりが楽しかったです。 青いバラ、ブルーローズに込められていた想いには心に響くものがありました。 (あらすじ) 両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は助手として暮らし…
以前文庫で読みましたが、この作品は単行本で集めたいと思い、買いました。何度読んでも最後の犯人が明かされた時には衝撃を受けます。(あらすじ)特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船“ジェリーフィッシュ”。その発明者であるファイファー教…
去年のミステリー作品の中で評価が高かったので読みました。歴史背景を組み込んだミステリー作品で、どの話も動機や犯行が多彩なので読んだら作品の中に没入するしかないです。短編集の中の、一つ一つの話の中でホームズとワトソンに当てはまる、江藤と鹿野…
数々の高評価を受けたデビュー作屍人荘の殺人の次作ということで、かなりハードルがあったと思うがまたも良いミステリーを生み出してきた。シリーズ化されることにちょっと不安があったが、杞憂に終わりました。剣崎比留子シリーズというか斑目機関シリーズ…
読むのは映画を観てからと決めていて、ようやく読めました。大絶賛の嵐で期待値が高すぎると、そこまでかなとうがった目で見てしまったのは残念でした。先入観なく作品と向き合っていけたら、文句はないだろう。ちらほらと気になる点はありましたが、自分の…
本格ミステリと妻を救うためにタイムリープするという題材に惹かれ読みましたが、多少ん?と疑問になるところはありましたが、満足出来る作品でした。最初の物語の入りに躓きましたが、中盤から終盤にかけての畳み方が上手くて、物語に引き込まれました。主…