羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

富豪刑事

刑事小説、ミステリーとしての定石をとことん崩していき、楽しく描かれているように感じました。タイトル通り、富豪刑事こと神戸が金を様々な用途で使い込み、事件を解決へ導いていくもの。事件の解決方法が様々で、惹かれていきました。金で強引に展開を引…

法廷遊戯

まず、圧倒的な面白さでした。無辜の裁判という学生同士で行う裁判で序盤は軽く見せて、有望な友人の身に起きた事件でがらりと雰囲気を変わりました。主要人物の3人の同級生が弁護士、被告、被害者となり今まで見ていたものはそれぞれ違ったんだなと。亡くな…

灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹

またもや知らない未知の世界に入り、話す言葉や文化が違う場所に入ったハルヒロ達。さぐりさぐりに情報を集めていき、生活を送っていくのはスリルがあって良いです。なんか久しぶりに緊張感が漂う冒険になってました。ミスをしたら死ぬみたいな。そして数巻…

2020年 8月 購入予定&気になる作品

8月は読みたい作品が多めで楽しみです。 さて新作で注目しているのはスニーカー文庫で2作品受賞した作者の「とってもカワイイ私と付きあってよ!」カミツキレイニー先生の久しぶりの新作「魔女と猟犬」河野裕先生の単行本作品の「昨日星を探した言い訳」な…

名探偵は嘘をつかない

紅蓮館の殺人で気になっている阿津川先生のデビュー作。探偵が社会的立場を持っていたり、輪廻転生が起きていたり状況を混ぜて混ぜてこねていたという印象です。全体で600Pと厚くて読み始めは不安でしたが、段階を踏んでいくうちにどうして名探偵阿津川透が…

2020年 上半期オススメのライトノベル新作20選

凄い今さらだけど、2020年の上半期に発売されたライトノベルの新作で面白くて、読んでほしいオススメ作品を紹介していきます。コロナなどの影響は少なからずあると思います。ですが、作品の命をそれで失われてほしくないなと。気になった作品は是非読んでほ…

魔女の愛し仔

魔女が生贄の少女と一緒に暮らしていき、互いに相手を自分以上に大事にしているのは依存に近いですが、尊いと思います。最初から中良い状況で始まりましたが、途中に挟まっている出会った頃のそっけない関係から愛が育まれていった過程が胸にきましたし、だ…

ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ〜扉子と空白の時〜

久しぶりの続巻でしたが、するりと内容に入っていけました。横溝正史先生の作品がテーマでしたが、自分は1冊も読んだことがないので心配してましたが杞憂に終わりました。知らない自分でも楽しめるので親切な内容です。ストーリー中に横溝先生の作品の良さが…

記憶書店うたかた堂の淡々

記憶を売買することができる青年・現野一夜が様々な迷いを抱えている人から依頼を受けて、記憶を誰かに送ったり、交換したりしてその人が本当に欲しかったものを見つけ出すのに繋がっていくのが美しい。各話の登場人物の内側の気持ちを暴くのがとても上手く…

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか?7時間目

天神の塾講師としてではなく、作家としてどうなりたいのか。物語の価値に悩みながらもたどり着いた結果には暖かくなりました。届けたいターゲットを明確にしないと埋もれてしまうし、戦略を練らないと売れない。どんな方法を試しても良い。だけど、それ以上…

僕たちにデスゲームが必要な理由

表紙や推薦文に惹かれて読みました。佐野先生、松村先生が推すなら合うんだろうと思いましたが、見事にページをめくる手が止まらなかったし、スリリングなようで優しさの積み重ねの展開は見事でした。大人が決めたルールに従わなければならない子供達の行き…

このぬくもりを君と呼ぶんだ

やがて君になるの仲谷さんがイラストというだけであらすじを読まずに反射的に買いました。勝手な思い込みですが、学園で暖かい作品かと思ってたので、無機質な世界観に驚きました。そんな味気ない世界でみんなは違和感を感じることなく暮らしていて、その中…

君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る

スニーカー文庫でデビューした作者がガガガ文庫にも登場。暗い雰囲気の世界の片隅を照らすような作品でした。主人公のデッドは死者。ヒロインのファイはヒト。これは確かな壁となっていて2人の関係の試練になっていた。天獄ではデッドは生きられないし、地国…

現実でラブコメできないとだれが決めた?

ラブコメ好きな主人公・長坂耕平が現実でラブコメを実現するために際どい調査(犯罪)やデータ(偽造)を武器に熱苦しくて馬鹿馬鹿しい理想に挑む姿に不思議と惹かれていきました。耕平の熱量は作品の持つポテンシャルに繋がりますね。また、軽い作風かと思った…

やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく

クールを装っているが中身はチョロいヒロイン・小雪が人のちょっとした情報から相手を察してしまう主人公・直哉が出会うことで始まるラブコメ。互いに周りの人と壁を作ってしまう性格だがこの2人は相性が良く、気持ちを隠さないでいられる関係なのが良いです…

灰と幻想のグリムガル level.6 とるにたらない栄光に向かって

ソウマやトッキーズ達に巻き込まれて、大規模戦闘に参加するハルヒロ達。ちょっとずつだけど、揉まれながら成長してるな。今回はとにかく戦闘の連続で落ち着きようがなかったが、どんどん世界観が広がっていくので、ついていくのに必死になります。ソウマさ…

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを6

あぁ、終わってしまうなんて寂しい。優しくて暖かいイセコーの世界観が好き過ぎて住みたいぐらいです。さて、最終巻なんですが、ユウが元の世界に戻ることに?な話。常連客のあの人がまさかそんな役目を担っていたとは思いませんでした笑ユウは本当の気持ち…

灰と幻想のグリムガル level.5 笑わないで聞いておくれよ

新たな場所、ワンダーホールに踏み込んで慣れてきたときに新たなエリアを発見する。キッカワ達、トッキーズも遭遇し一緒に行動することに。ハルヒロ達のパーティーが静なら、トッキーズは動。とにかく奔放なキッカワ達に振り回されそうになるが、ハルヒロが…

拝啓、本が売れません

本を売りたいというのはどの作家も同じくらい思ってるし、編集者や書店の店員など様々な人も願っている。ただ現実はそんな甘くない。この本は売れない本ではなく、売れる本を作るために出版に関わる人や映像に関わる人達など様々な立場のスペシャリスト達の…

七つの魔剣が支配するⅥ

前巻でエンリコを倒すためにかなり無茶をして身体と精神のバランスを崩したオリバーの戸惑いにもどかしく思います。裏で復讐のために自らの命を犠牲にしていながら、表では仲間の暖かさに支えられる。アンバランスな日常に染まりそうな中、ナナオの純真なフ…

どうかこの声が、あなたに届きますように

波よ聞いてくれというラジオをメインにした作品にハマっていたら、本屋で推されている本作を見つけました。タイミングが良すぎて怖いくらいですが、即読みました。素晴らしかったです。心と顔に傷を負い、下を向いて生きていた主人公・小松夏海がひょっとし…

少女は夜を綴らない

過去に犯した罪に苛まれる少女がその罪に関係する少年と築いていく危険な関係。殺人を計画する少年の背景には苦しい家庭環境があり、そこから抜け出そうとするために父をどうするかを考えている。そんな少年と過ごしていき、少女は自分の罪や考え方が変化し…

雑記 夏アニメドラマ チェック。

もう7月に入って数日。半年が過ぎましたがあっという間でした。そろそろ始まる、 夏アニメ、ドラマの視聴リストみたいなつです。アニメは俺ガイル3期がとにかく楽しみです。映像でどう締めくくるのか期待しかないです。富豪刑事は春に数話やって、延期なので…

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを5

ユウの喫茶店暮らしが安定してきて、季節は冬。最初は暖炉を出してぬくぬくするノルトリに癒されたり。ユウの膝に座ってくつろぐノルトリ。あれ?ノルトリの成長はいつ来るのか。でも簡単に成長して欲しくもない。複雑。さて今回はリナリア好きのアイナの生…

雑記 2020年 9本目 映画 のぼる小寺さん

最近アフタヌーンKCで掲載されているワンダンスの作者の前作「のぼる小寺さん」の実写映画を見てきました。前知識を仕入れずに見ましたが、素晴らしい青春作品でした。タイトルにいる小寺さんはあくまでポルタリングを1番に考えていて、台詞はあまり多くない…

2020年 6月 読んだ本 読書メーターから

6月も40冊台に乗せられてホッとしました。読む余裕を作るのが自分の中で確立してきました。6月で読んだ本でオススメしたい作品を紹介していきたいと思います。・新作で特に面白かった作品シュレディンガーの猫探しhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/…

戦翼のシグルドリーヴァ Rusalka(下)

前日譚でありながら軽い世界観の紹介に留まらず、戦場で戦う戦乙女達の葛藤や覚悟を存分に描いていて、読み応えが抜群。表紙の姉妹は互いを守るためにある覚悟をするのだが、その行末には息を飲むものが待っていました。ルサルカは、ぶつかり合ってきた上官…

型破り傭兵の天空遺跡攻略

主人公は傭兵のハルトではなく、副団長アリアだったか。てっきり、ハルトがもっとめちゃくちゃな問題児かと構えていたら、良いやつ過ぎて泣けてしまう。最初はハルトを信頼していいのかと悩むアリアだけど、接していくうちに徐々に彼の隠していた本音や過去…

灰と幻想のグリムガル level.4 導かれし者たち

前巻の大規模戦闘の末にモグゾーが死んでしまったことで、再びパーティー全体に影を落とすことに。マナトを失って、気づいたはずなのに。また繰り返してしまった。モグゾーの献身的な姿勢に頼りすぎてしまったパーティー全体の体質の問題。一度時間を置いて…

どうぞ愛をお叫びください

青春小説を書くのが上手い武田先生の作品なので楽しみでした。題材はYouTuberと聞いたときはいったいどんな物語になるのか想像がつきませんでしたが、見事にまとめあげていました。男子高校生4人の個性豊かな面々が持つゆるーい空気に安心しつつ、いつ波乱が…